2015年12月29日(火)
Cannibal Holocaust 1981年 イタリア
文芸坐で「悪魔のいけにえ」との2本立てというすごい組み合わせ。
こちらは初めて観ます。
冒頭はアマゾンの雄大な空撮風景にのどかな音楽。
そして4人の若者が奥地に記録に入って、2か月戻らないということで、捜索に入る人類学教授モンロー。
いきなり目にするのは姦通の処刑風景。
ガイドのミゲルの働き(素っ裸で交渉)でヤクモ族の村へ。
その奥には沼族と木族がいて、木族の村に入る。
そこで教授の機転でテープレコーダの歌を聞かせ、信頼を得て4人の残したフィルムを手に入れる。
それを編集してテレビ放映しようというテレビ局とモンロー教授の攻防。
あまりの残酷さに結局は断念。しかしそのフィルムが流出して、映画になったという成り立ち。
でもいわゆるフッテイジもので、すべてやらせやフェイクです(一部の処刑場面や動物を殺す場面は本物)。
しかし、やらせの中でまたやらせを行っているという、ややこしい作りで、
裸やセックスシーンもたくさん出てくるので、胡散臭いのはすぐわかります。
それでも、行方不明の4人の家族へのインタビューがあったり、なかなか凝った構成です。
途中、カメを捕まえてクビをはね、解体して食べる場面がありますが、
これがそのまま自分たちに起こるということを暗示しているわけですね。
その他にも、猿の頭を割るところとか、そういう場面がいくつかあって、胸がわるくなります。
有名な串刺しの女性など、人間に関するところはだいたい作り物とわかるのですが、
最期の方に出てくるヤリで殺された男が、連れ去られてチン切りされたり解体されていく部分はうまく撮ってあって、本物っぽくみえたりするので、嫌な感じ。
それに比べると、フェイという女性が裸にされて、レイプされ、首を切られるところは、作り物感があってまあ大丈夫。
最期に「食人族はいったいどっちなんだ」というモンロー教授の言葉が、妙にまともです。
彼も部族の女性にモテモテだったんですけどね。
映画としては、まあ、無理してみるほどのものではないですね。
フッテイジものとしては「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」のほうがずっといい出来です。
監督ルッジェロ・デオダート
脚本ジャンフランコ・クレリチ
原案ジャンフランコ・クレリチ
製作ジョヴァンニ・マッシーニ
提供フランコ・パラッジ 、 フランコ・ディヌンツィオ
撮影セルジオ・ドフィツィ
美術マッシモ・アントネッロ・ジェレング
音楽リズ・オルトラーニ
編集ビセンツィオ・トマージ
字幕野中重雄
●出演者
モンロー教授:ロバート・カーマン
フェイ:フランチェスカ・チアルディ
アラン:ガブリエル・ヨーク
ジャック:ペリー・ピルカネン
マーク:ルカ・バルバレスキー
フェリペ:リカルド・フュエンテス
※データはmovie walkerです。