Quantcast
Channel: いまごろこの映画?
Viewing all articles
Browse latest Browse all 788

シャイアン(1964)

$
0
0
2018年6月17日(日)
Cheyenne Autumn 1964年 アメリカ
イメージ 1

ジョン・フォードの晩年の名作ということですが、シャイアン族への迫害を告発する内容というもので意外です。
アメリカがそういう時代に入っていくという現れでしょうか。

この同じ64年にマカロニウエスタンの「荒野の用心棒」が登場し、
3年後、1967年に「俺たちに明日はない」が出てくることを思えば、アメリカの西部劇が完全に曲がり角を迎えていたことは明らかです。
いや、アメリカの社会が大きく変質していたということでしょう。

映画は、1878年9月7日から始まります。
ちなみに日本でいえば明治11年、前年に西南戦争が起こっています。

先住民のシャイアン族が居住区で続々と集まってくる。
その日は委員会の視察があるということで、朝早くから集まり、首長が炎天下で倒れても待ち続ける。
しかし、11時30分に連絡があって、5時30分になっても来ない、結局悪天候で引き返したと分かる。

イメージ 2

豊かな土地を追われ、荒れ地を居住区と決められてマラリヤや飢えで1000人以上いたシャイアン族は286人になっていた。
彼らは白人の言葉はウソであり、信じた自分たちも我慢の限界であることを表明する。
そして、自分たちの故郷イエローストーンに帰ることを主張し、実行する・・・。

物語は、シャイアン管理事務所のアーチャー大尉(リチャード・ウィドマーク)が葛藤しながら軍を率いて彼らを追跡する様、
クエーカー教徒として教育のために彼らに動向するデボラ(キャロル・ベイカー)、
その事態をとりまく内務省や政治家の思惑のからみあい、果てはワイアット・アープ(ジェームズ・スチュアート)、ドク・ホリデイ(アーサー・ケネディ)まで登場して、大河ドラマのように展開します。

ドラマとしては、なんだか統一性のないものに見えます。
アーチャーがデボラにプロポーズするというエピソードが必要なのかどうかなど、
今の眼ではちょっと甘い感じがしなくもありません。

ただ、軍の統率された行動や、とりわけ馬に飛び乗ったり、馬をあやつったりする場面が、やはり素晴らしい。
これを見ただけで「西部劇」を感じます。
スコット少尉(パトリック・ウェイン)が暴走して勝手に突撃していく場面の、一群の馬の疾走など、興奮しますね。

とはいえ、ワイアット・アープ登場のくだりはなんだかよくわからないし、繋がりも良くない気がします。

肝心の先住民とアメリカ政府軍の戦いが、あまり描かれないからででしょうか。
原作本があるため、あるいは史実にできるだけ忠実に描こうとしているのでしょうか。

イメージ 3

結局一族もアメリカも苦難の道に入っていくからでしょうか。
そういう世界を描くということでは、ジョン・フォードの映画として、正しい一本かもしれません。

監督ジョン・フォード
製作バーナード・スミス
原作マリ・サンドス
脚色ジェームズ・R・ウェッブ
撮影ウィリアム・H・クローシア
音楽アレックス・ノース
●出演者
Capt. Thomas_Archerリチャード・ウィドマーク
Deborah_Wrigtキャロル・ベイカー
Capt. Wesselsカール・マルデン
Red_Shirtサル・ミネオ
Spanish_Womanドロレス・デル・リオ
Little_Wolf リカルド・モンタルバン
Dull_Knife ギルバート・ローランド
Doc_Hollidayアーサー・ケネディ
Wyatt_Earpジェームズ・スチュアート
Secretary_of_the_Inteiorエドワード・G・ロビンソン

※データはmovie walkerです。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 788

Trending Articles