Quantcast
Channel: いまごろこの映画?
Viewing all articles
Browse latest Browse all 788

柘榴坂の仇討(2014)

$
0
0
2018年6月24日(土)
松竹 2014年
イメージ 1

このところ時代劇をきちんとみていないです。
一時期、団塊の世代向け(?)に立て続けにつくられた、藤沢周平ものがありましたが、そのあとはどうも。

この映画、なんの予備知識もなく見始めたのですが、冒頭の闇夜の雪の中に提灯がいくつか浮かび上がるファーストシーン。
そこから、キツネ面の男たちが駕籠を襲撃する、そして夢からさめる男・志村金吾(中井貴一)。

時は明治5年の秋、となりに寝ている妻を見る貧しい長屋暮らしの侍。
そこから13年前の回想になる。

彦根藩士・志村が井伊直弼(中村吉右衛門)のわきにかしこまり、加護役を拝命。
この場面でも、中村吉右衛門の、たたずまいが素晴らしい。
チャカポンと言われるように、風流のたしなみを表わす場面ですが、立っている様だけでにじみ出る風格。

イメージ 2

他もそんな具合で、とても丁寧でしかも練られたつくりの映画に感じます。

話としては、幕末の桜田門外の変で加護役だった男が失態を責められ、
明治への激動の時代を過ごす中で、襲った男の首をとるべく調べ探し続けるという物語です。

親友の新之助(高嶋政宏)は邏卒(巡査のことですね)となって、すっかり順応している。
180万人の武士が禄を失ったという事実を織り交ぜながら、そんな中で髷、帯刀の志村がすり減っている様子。
妻のセツ(広末涼子)は居酒屋つるで働き、仕立ての内職をして金吾を支えている。
物語には関係ないですが、この居酒屋の入口の前に、大きな素朴な表情の招き猫が地面に置いてあって、これがなんだかいい感じ。

並行して車屋の直吉(阿部寛)の生活が描かれていきます。
新橋ステンシィオンで客を待つ車夫。
やはり長屋住まいで、近所に住む子連れのマサ(真飛聖)とはなんとなくひかれあっている。
この二人がどこでどう交錯するか、が見どころです。

新之助の親戚に司法省の秋元(藤竜也)に頼み込んで、調べをしてもらい、事が動いていく。
この藤竜也が、なんだかとてもいいんですね。
いかにも侍から明治人の官僚になったような、ちょっとくだけた感じがあって、とてもいい。

あと、いい場面は、商人に金の取り立てで責められている侍を、志村がとがめるところ。
まわりから、一人、また一人と侍が名乗り出るところ。
ほんとにこんな状況だったかどうかはわからないですが、ちょっとじーんときます。

イメージ 3

広末涼子の妻役がちょっと、というところが気になりましたが。

監督若松節朗
製作川城和実 、 大角正 、 神原秀明
プロデューサー加藤悦弘 、 芳賀正光 、 井上学 、 武部由美子 、 谷光 、 佐倉寛二郎
原作浅田次郎
脚本高松宏伸 、 飯田健三郎 、 長谷川康夫
企画小滝祥平 、 嘉手苅理沙 、 河野聡 、 秋元一孝 、 甲斐輝彦
撮影喜久村徳章
音楽久石譲
製作総括木下直哉
美術小川富美夫
編集阿部瓦英
録音小野寺修
エグゼクティブプロデューサー吉田正樹 、 山本昌仁 、 山口太二朗 、 井上高志 、 岡村幸彦
照明長田達也
装飾中込秀志
殺陣/擬斗宇仁貫三
●出演者
志村金吾中井貴一
佐橋十兵衛(直吉)阿部寛
志村セツ広末涼子
内藤新之助高嶋政宏
マサ真飛聖
井伊直弼中村吉右衛門
財部豊穂吉田栄作
稲葉修衛門堂珍嘉邦
志村覚馬近江陽一郎
ユキ木崎ゆりあ
秋元和衛藤竜也

※データはmovie walkerです。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 788

Trending Articles