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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016)

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2018年2月12日(日)
I, DANIEL BLAKE 2016年 イギリス フランス ベルギー
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イギリス映画の、弱い立場の人を描く映画って、ほんとにうまいですね。

サッチャー政権のせいなのか、それとも積年のゆがみなのか、
80年代から90年代にかけて、炭鉱を中心とした厳しい政策や、
失業問題などを背景に、いろんな映画がつくられましたね。

「フル・モンティ」「リトル・ダンサー」、「トレイン・スポッティング」なんかもそうですかね。
最近では「パレードへようこそ」という映画もありました。

なんとなくですが、不況の中でも、グダグダになりながらも、したたかに生き延びるという気概を感じます。

さて、この映画の主人公は、心臓の具合が悪くて仕事を離れたダニエル・ブレイク(デイヴ・ジョーンズ)59歳(もっと年取ってみえるけど)。
妻には先立たれていて、子供もいない。
大工として働いてきたけれど、医者に仕事を止められ、仕方なく福祉の手当ての手続きをしようとするけれど、
それが複雑で、また不備があり、まったく思うように進まない。

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そんな中で、ロンドンからニューカッスルへ引っ越してきた二児の母ケイティ(ヘイリー・スクワイアーズ)が困窮することを手助けするが、
自分も余裕がない中、充分には手当てできない。

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役所に電話すると、1時間以上待たされる。へんな音楽がなりっぱなし。
サイトから申し込みをしろ、と言われる。

病気で仕事ができないのに、就労申請をしないと介護手当がもらえないしくみ。
セミナーを受けて、レポートを出し、いい成績をとらないと順番も回ってこない。

日本でいうハローワークみたいな施設があって、
そこでたくさんの人が待ち、手続きの相談をしている。
理不尽なしくみに怒ると、すぐにセキュリティが呼ばれる。

まったくの八方塞がり。

彼は言う。「今の俺は抜け殻だ」

ケイティの下の子は、少し精神的に不安定。
その描き方もさらりとしているけれど、生活としてはとてもつらいだろうことがわかります。
フードバンクに行っていることで、学校でいじめられる長女の話。

映画は、決して暗いわけではなく、となりの黒人の兄ちゃんは中国から横流ししたスニーカを路上で売り、
中国の工場の中国人のあんちゃんとはスカイプでサッカーの話をしたり。

ただ、手続きのためにやった就職活動で、雇いたいという電話があっても、病気で働けない。
そんなおかしなことを、当然だけど電話では罵倒される。

ラストは、やはり涙なしでは見れません。

私はダニエル・ブレイク。
一人の人間だ。それ以上でも、それ以下でもない。

監督ケン・ローチ
プロデューサーレベッカ・オブライエン
脚本ポール・ラヴァティ
衣裳デザイナージョアン・スレイター
音楽ジョージ・フェントン
編集ジョナサン・モリス
録音レイ・ベケット
エグゼクティブプロデューサーパスカル・コシュトゥー 、 グレゴワール・ソーラ 、 ヴァンサン・マラヴァル
キャスティングカーリーン・クロフォード
ラインプロデューサーイマー・マクマホン
音声編集ケヴィン・ブレイザー
美術監督ファーガス・クレッグ 、 リンダ・ウィルソン
撮影監督ロビー・ライアン
●出演
ダニエル・ブレイクデイヴ・ジョーンズ
ケイティヘイリー・スクワイアーズ
ディランディラン・フィリップ・マキアナン
デイジーブリアナ・シャン
アンケイト・ラッター
シェイラシャロン・パーシー
チャイナケマ・シカズウェ

※データはmovie walkerです。

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