2015年7月19日(日)
The Long Goodbye 1973年 アメリカ
この映画、ずっと見たかったのです。
チャンドラーの原作イメージとはぜんぜん違うのだけれど、なんと素晴らしい。
マーロウが猫を飼っているとは思えないし、向かいに裸のヨガ美女軍団がいたとも思えない。
警察ややくざたちにこんなにお茶目なやり取りをしたはずもない。
しかし空気感は間違いなくハードボイルド。
これは70年代のハードボイルド、すべてが自由になると思っていた時代のハードボイルドだ。
ジョン・ウィリアムズのジャズテーマが、全編に変奏されてつながっていく。
マリブコロニーのウエイド邸の玄関チャイムまでがテーマ曲というのは見事。
深夜スーパーの黒人店員が留置場でシンクロしたり、はねられて入院した隣が包帯ミイラみたいだったり。こまかいところが面白すぎる。
5000ドル札もちゃんと登場する。この価値はどのくらいなんだろう。今だと60万円くらいだけど、その10倍や20倍してもおかしくない。
にやにやする場面ばかりでなく、やくざのマーティの登場場面はコーラ瓶とか、裸になり合おうとする場面とか、こわさがにじみ出る。この異常な世界。
ラストはまるで「第三の男」のように長い擦れ違い。
これが長いお別れ、でしょうか。
監督ロバート・アルトマン
脚本リー・ブラケット
原作レイモンド・チャンドラー
製作総指揮エリオット・カストナー
製作ジェリー・ビック
撮影ヴィルモス・ジグモンド
音楽ジョン・ウィリアムス
編集ルー・ロンバード
●出演者
Philip_Marloweエリオット・グールド
Eileen_Wadeニーナ・ヴァン・パラント
Roger_Wadeスターリング・ヘイドン
Marty_Augustineマーク・ライデル
Dr.Verringerヘンリー・ギブソン
Harryデイヴィッド・アーキン
※データはmovie walkerです。