2019年5月19日(日)
Flags of our Fathers 2006年 アメリカ
戦争映画なんだけれど、それよりもその周辺の「いやらしさ」が丹念に描かれています。
もちろん戦争の悲惨な面もリアルに表現されてますが、それは今までも様々な映画で描かれてきました。
この映画の特別なところは、同じ場面を別の映画(「硫黄島からの手紙」)で別の視点から描いたところでしょう。
もちろん原作がそうなっているのでしょうが、この映画では
硫黄島に戦旗を立てる写真を利用する政治家、キャンペーンで全国を回るメンバーたち、
先住民として荒んでいく男、帰らなかった息子と家族たち、など
いろんなアメリカの側面が見えます。
仲間が戦場でどんどん死んでいく。
どこにいるかわからない日本兵を相手に、とにかく物量で攻めていきます。
しかし、実際に戦うのはヒーローでもなんでもない、普通の兵士たち。
たまたま取られた写真が、本国の政治家や軍TOPの目にとまり、
それを戦意高揚や資金集め(企業に国債を買ってもらう)に生かそうと、大キャンペーンを展開していきます。
しかし、実はこれは取り直しをした、やらせ写真のようなものだったのです。
そんな立場でとまどうメンバーたち。
アメリカに戻ったメンバーがフラッシュバックで思い出す戦場の様子。
死んでいった仲間たち。
それはもう一本の「硫黄島からの手紙」とつながっていくのですが。
そう思ってみると、アメリカ独特の、『消費された戦争』とでもいう哀しさがいっそう際立ちます。
そのアメリカの怖さといやな感じ。
先住民の兵士がどうなっていったか、象徴的な物語です。
監督クリント・イーストウッド
製作クリント・イーストウッド 、 スティーヴン・スピルバーグ 、 ロバート・ロレンツ
脚本ウィリアム・ブロイルス・ジュニア 、 ポール・ハギス
撮影トム・スターン
音楽クリント・イーストウッド
共同製作ティム・ムーア
美術ヘンリー・バムステッド
編集ジョエル・コックス
衣装デボラ・ホッパー
●出演
"ジョン・""ドク″・ブラッドリー"ライアン・フィリップ
レイニー・ギャグノンジェシ・ブラッドフォード
アイラ・ヘイズアダム・ビーチ
マイク・ストランクバリー・ペッパー
キース・ビーチジョン・ベンジャミン・ヒッキー
バド・ガーバージョン・スラッテリー
ハンク・ハンセンポール・ウォーカー
"ラルフ・""イギー″・イグナトースキー"ジェイミー・ベル
※データはmovie walkerです。