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ヒトラー暗殺、13分の誤算(2015)

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2019年5月4日(土)
ELSER 2015年 ドイツ
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ヒトラー暗殺計画は、映画でも「ワルキューレ」があり、最初それと同じものかと思ってました。
しかし、まったく違うんですね。

まず、ドイツ映画です。監督は「ヒトラー 最後の12日間」のオリバー・ヒルシュビーゲル。
そして実話に基づいている物語であり、主人公はゲオルク・エルザ―(クリスティアン・フリーデル)、家具職人。

ナチス党一色になっていく様に反感を持っていて、しかし共産党ではない。
仲間と赤色戦線同盟の活動をするものの、政治活動に熱中するわけではない。

1939年11月8日夜、ミュンヘンのビアホールで毎年演説するヒトラーを狙うゲオルク。
夜中、柱にダイナマイトを仕込み、時限装置をセットする。時刻は16時20分。
その夜スイスに逃げようとして捕まる。

暗殺はヒトラーが早く演説を切り上げたため未遂に終わり、
ゲオルクはナチスのネーベ(ブルクハルト・クラウスナー)とミュラー(ヨハン・フォン・ビュロー)から執拗に取り調べをうける。

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そこにカットバックされる様々な思い出。
特に、人妻エルザ(カタリーナ・シュットラー)との間柄。
アコーディオン演奏のダンス会で、タンゴを踊る二人。

旦那の暴力をなぐさめるゲオルク。そして彼女の家に下宿する、というのは本当なのでしょうか。
下宿してから関係ができた、とか?

まあいいですが、この人妻役のカタリーナ・シュットラーが色っぽいんですねー。とてもいいです。

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調べる二人は、総統から黒幕をあばくように何度も求められる。
しかし調べるほど、単独であることが明白になってくるという過程が、その生活とともに描かれていきます。
この脚本もとてもいいです。

彼のこころは「自由がほしかったから」。
村の顔見知りがつかまり収容所に入れられ、「ユダヤ人と付き合うブタです」と首から下げさせられたりという日常。
ナチス党がどんどん勢力を強め、党の人間がすべてを牛耳っていく様子。

映画会も最初のころは「村の運動会」だったものが、その後は「ドイツの戦車」など戦争ものになっていく。
エルザの写真を撮って実行に向かうゲオルク。

失敗はそうなる運命だった、と1937年11月23日にサインをする。
最終的に、1945年3月2日にネーベが処刑されるが、その描写は針金につるす絞首刑。
ここでもその執行がじっくりと描かれます(「チェンジリング」でも見たばかりだったのでつい比較してしまいました)。

そしてツィターの楽譜をもらったゲオルクは、終戦直前の4月に処刑される。

ドイツがこういう作品をずっと作り続けるのが凄いですね。
最後に「史実を基にしてある、私生活の一部は架空である」と出ます。
この辺にもドイツの厳格さを見る思いがします。

ヒトラー本人はほとんど出てきません。
拷問の場面もそれほどひどい描かれ方もしていないですが、きっとかなりのものだったのでしょう。

でもこの映画で一番感じるのは、普通の人が普通に生活していて、ヒトラーの異常さを感じていたということでしょうか。

日本で軍部を暗殺しようとした人はいたのでしょうか?

監督オリバー・ヒルシュビーゲル
製作ボリス・アウサラー 、 オリバー・シュンドラー 、 フレート・ブライナースドファー
脚本レオニー=クレア・ブライナースドファー
撮影ユーディット・カウフマン
音楽デヴィッド・ホームズ
●出演
ゲオルク・エルザークリスティアン・フリーデル
エルザカタリーナ・シュットラー
アルトゥール・ネーベブルクハルト・クラウスナー
ハインリヒ・ミュラーヨハン・フォン・ビュロー
Josef Schurrダーヴィット・ツィンマーシート

※データはmovie walkerです。

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