2018年12月9日(日)
Tess 1979年 フランス/イギリス
長いですが、映画館で見たかったなぁ。
映像の美しさが素晴らしい。
冒頭のダンスクラブの女の子たちと楽隊。
草原の中の白いドレスたちと生の音楽。
これがこの映画を貫いています。
屋敷への道、仕事仲間たちとの夜の遊び、朝靄の中の狩の様子、犬、馬、赤いジャケット、苅り入れの働く人びと、などなど、まさしく動く絵画です。ラストも美しい。
物語は、貧しい家の美しい娘が惑わしていく二人の男、ということになりますか。
ナスターシャ・キンスキーが、美しいです。
かなりの振れ幅の人生を淡々と生きていくので、
変な感動の押売りにはなりません。
ただそこが物足りない感じもします。
こういう整った美女系の人はそうなってしまうのでしょうね。損か得か。
物語をよく見てみると、最初の牧師さんの吹き込む系図話に始まって、
別な牧師の若き息子エンジェルの仕打ちに決定的に翻弄されるわけで、
牧師が罪を作っていくという、二重にかわいそうなお話でもあります。
いちご、文鳥、口笛、乳搾り、畑仕事、夜中までの野良仕事、などなどの本当に美しい画像。
洗礼を受けるかどうか、墓が作れないこと。
でも、どうしても彼女が二人の運命を狂わせられるほどの女性に感じられないのが、一番乗れないところ。
ちょうど前日に「デイジー・ミラー」を見ました。
奔放で美しいアメリカ女性に、翻弄されていく名家の男。
あるいは「ティファニーで朝食を」のホリー・ブライトリー。
映画としては素晴らしい出来と思います。
これこそ4k、8kでじっくり見たいです。
監督ロマン・ポランスキー
製作クロード・ベリ
製作総指揮ピエール・グルンステイン
原作トマス・ハーディ
脚色ジェラール・ブラッシュ 、 ロマン・ポランスキー 、 ジョン・ブラウンジョン
撮影ジェフリー・アンスワース 、 ギスラン・クロケ
衣装デザインアンソニー・パウエル
音楽フィリップ・サルド
美術ジャック・ステファンズ 、 ピエール・ギュフロワ
編集アラステア・マッキンタイア
●出演者
Tessナスターシャ・キンスキー
Angel Clareピーター・ファース
Alec d'Urbervilleリー・ローソン
John Durbeyfieldジョン・コリン
Reverend Mr. Clareデイヴィッド・マーカム
Mrs. Durbeyfieldローズマリー・マーティン
Vicar of Marlottリチャード・ピアソン
Marianキャロリン・ピックルズ
Mrs. Clareパスカル・ド・ボワッソン
※データはmovie walkerです。