2018年3月17日(土)
松竹 2015年
宮部みゆきの原作は未読です。
彼女の作品ということで、筋書きの面白さは保証されていて、
となると、それがどううまく映像化されているか、となります。
江東区城東第3中学校、と出るのですね。
そこに新任できた藤野先生と校長先生の回想という形で始まります。
1990年の12月25日、雪の積もる朝。
ウサギ当番だった藤野涼子(同名)と野田(前田航基)が雪に埋まったクラスメートの死体を発見する。
それは飼育委員だった柏木、彼のかわりに来た二人だった・・・。
そこから、葬儀での知らない学校の男の子、
日本橋のポストから告発状を投函する二人の女子中生、
大出俊次(清水尋也)のいじめ、それにあっていた三宅樹里(石井杏奈)が描かれていきます。
三宅樹里の母との少し変わった家庭。
米屋のマツコの家のおっとりとした雰囲気。
大出の家の暴力的な父親、金で事件をもみ消す悪さ。
ある意味、とても分かりやすい家庭像が展開するわけです。
その中で、やはり際立つのは、藤野涼子の学級委員的なまともさと、
神原(板垣瑞生)の生い立ちの普通じゃなさですか。
藤野は父が警察、神原にいたっては、父が母を殴り殺し獄中で自殺、という生い立ち。
そして、陰の主人公・柏木役の望月歩って、この子すごいんではないでしょうか。
この役そのままのような、少し思いつめた、中学生特有の独善怖さみたいなものがすごくうまく出ています。
見ている方も充分怖い。
それぞれの家庭、それぞれの中学生の悩みが絡み合って、事件が発展していく様がうまく描かれています。
先生たちのキャラも充分にリアル。いいですね。
監督成島出
製作矢島孝 、 秋田周平
原作宮部みゆき
脚本真辺克彦
撮影藤澤順一
音楽安川午朗
美術西村貴志
編集三條知生
録音藤本賢一
照明金沢正夫
●出演
藤野涼子藤野涼子
神原和彦板垣瑞生
三宅樹理石井杏奈
大出俊次清水尋也
浅井松子富田望生
野田健一前田航基
柏木卓也望月歩
倉田まり子西畑澪花
向坂行夫若林時英
井上康夫西村成忠
橋田祐太郎加藤幹夫
井口充石川新太
藤野剛佐々木蔵之介
藤野邦子夏川結衣
三宅未来永作博美
森内恵美子黒木華
津崎正男小日向文世
中原涼子尾野真千子
水川冴子平祐奈
※データはmovie walkerです。