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野菊の墓(1981)

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2018年2月17日(土)
The Wild Daisy 1981年 東映
イメージ 1

公開当時は、まったく興味なく、テレビでの宣伝を横目でみていた程度でした。
今回NHKBSで放映されたので、見てみました。

すでに松田聖子のその後や、澤井信一郎監督のその後を知っているので、そんな目で見てる前提です。

意外としっかりとした映画だなと思います。
特に、田舎?の山の風景や田畑を遠景で撮った画などは、とても印象的です。
つい最近まで、日本の田舎はこんな風だったなぁと、なんだか懐かしさを覚えます。

主人公の政夫は大きな醤油づくり屋の息子で、
そこから高等学校に上がろうとしている15歳。

母(加藤治子)の毅然とした態度や、長男(村井国夫)の嫁にまだ実権は渡さないと、
強い態度で出るところなど、昔の商家のありようをちゃんと描いているように見えます。

また、そこに働く人々もきっとこんなだったろうなぁという、本格感があります。
中でもやはりずぬけて存在感があるのは、樹木希林のお増です。
この人が出てくると全部持っていかれてしまう感じ。

イメージ 2

湯原昌幸の常吉もなかないいです。
愛川欽也と白川和子の夫婦もいいですね。

民子(松田聖子)が嫁いでいく先の、軍人の母の厳しく、理不尽な感じもいい。

要は、主人公の周りは、きちんと作られている印象です。

だからちょっと主人公の二人がもどかしい。
松田聖子は、今見ると、髪をあげてオデコを出しているせいか、ほんと、田舎娘です。
なんでこの子に政夫が惚れるのか、ということを思うくらい。

一方政夫のほうも、一途すぎて笑えてしまうくらい。
それも松田聖子に惹かれる意味がわからないからかもしれません。

イメージ 3

あと、疑問点は、綿つみに行った二人の帰りが夜遅くなったのは、何かがあったからなのかどうか。
映画の描き方では何もほのめかされていませんが、嫁いだあとの姑から問い詰められる場面から考えると果たして?

もう一つ、この悲劇は結局、母のきく(加藤治子)が引き起こしてしまったのではないか、という疑念。
自分で仕掛けておいて、引き離すという、一番罪が重い気がしますが、いかがでしょう。

あと、音楽がちょっと陳腐ですね。
もうちょっと風格のあるストリングスなどであれば、より盛り上がったのではないでしょうか。
いやこの時代は、こういうのが新鮮な感じだったのかもしれないなぁ。

監督澤井信一郎
製作高岩淡 、 相沢秀禎
原作伊藤左千夫
脚本宮内婦貴子
企画吉田達 、 高村賢治
撮影森田富士郎
音楽菊池俊輔
美術桑名忠之
編集西東清明
録音林鉱一
スチール加藤勝男
助監督森光正
照明梅谷茂
進行主任小島吉弘
●出演
民子松田聖子
政夫桑原正
斎藤喜一郎村井国夫
斎藤初子赤座美代子
お増樹木希林
常吉湯原昌幸
とめ小甲登枝恵
お浜大井小町
お仙酒井愛美
嘉吉相馬剛三
文伍高月忠
清二泉福之助
幸助奈辺悟
軍治団巌
芳春坂本良春
平六藤木武司
忠吉大栗清史
渡しの乗客A沢竜二
渡しの乗客同B常田富士男
渡しの乗客同C田倉しの
瞽女叶和貴子
農夫沢田浩二
渡しの船頭佐川二郎
人力車夫村添豊徳
人力車夫大島博樹
人力車夫森田正雄
戸村新吉愛川欽也
戸村せい白川和子
斎藤豪三郎丹波哲郎
斎藤きく加藤治子
巡礼の老人島田正吾

※データはmovie walkerです。

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