2017年4月9日(日)
THE SECRET LIFE OF WALTER MITTY 2013年 アメリカ
不思議にわくわくする映画です。
それは「虹をつかむ男」のリメイクだからというわけでなく、変わる時代の中で変わらないものは何か、という事に関する映画だから。
「LIFE」誌が休刊になり、リストラが行われる。
乗り込んでくる新経営陣のいけ好かない感じがまた、おかしい。
そして、排除される側の哀しみ。
主人公のウォルター(ベン・スティラー)はネガ管理係。
しかも白昼夢をみがちな、やや残念なタイプ。
すぐに妄想に入り込んで、めくるめく想像の世界に入っていく。
その激しさは、CG時代にこそ楽しめる自由さ。
現実は、介護が必要な母がいて、自由人の妹がいて、自分は貯金通帳の残高を見つめる毎日。
そんな中、伝説のカメラマンからネガが送られてきて、その№25を最後のLIFEの表紙にしろという指示。
ところが、その№25だけがない。新経営者陣からは矢の催促。
連絡のとれないカメラマン、ショーン・オコンネル(ショーン・ペン)を探すしかない、とわずかな手がかりから世界中を探し回る・・・。
と、書いてくると、やたらいい加減な映画に感じますが、まったく違います。
まず、社内いたるところに飾られている「LIFE」の表示を大きく伸ばしたパネル。
そして、繰り返し語られる「LIFE」のスローガン。
「世界を見よう
危険でも立ち向かおう
壁の裏側を覗こう
もっと近づこう
もっとお互いを知ろう
そして感じよう
それが人生の目的だから」
すばらしいではないですか。
ショーンからの財布にも刻まれている。
もちろん、後半の素晴らしく雄大な自然の美しい風景なども感動的ですが、
私が好きなのは、たとえばこんなところ。
心を寄せる同僚のシェリル(クリスティン・ウィグ)の息子にスケボーを教える場面で、
すごい技を見せているところは彼女がよそ見している、その繰り返し。
あるいは、グリーンランドのヘリパイロットの歌っているカラオケ。
たとえば、コンサルタント会社から入り込んでくる奴らの、いやーな感じ。
あるいは、彼女の家にいくと元ダンナがいたりすること。
たとえば、
そしてラストが、最高に素晴らしい。
音楽もいいです。
監督、ベン・スティラー、素晴らしいです。
監督ベン・スティラー
脚本スティーヴ・コンラッド
原作ジェームズ・サーバー
原案スティーヴ・コンラッド
製作総指揮ゴア・ヴァービンスキー 、 メイヤー・ゴットリーブ 、 G・マック・ブラウン
製作サミュエル・ゴールドウィン・ジュニア 、 ジョン・ゴールドウィン 、 スチュアート・コーンフェルド 、 ベン・スティラー
共同製作ジェフ・マン 、 カート・ウィリアムズ
撮影監督スチュアート・ドライバーグ
プロダクション・デザインジェフ・マン
音楽セオドア・シャピロ
音楽監修ジョージ・ドレイコリアス
編集グレッグ・ヘイデン
衣裳デザインサラ・エドワーズ
●出演者
ウォルター・ミティベン・スティラー
ショーン・オコンネルショーン・ペン
シェリル・メルホフクリステン・ウィグ
エドナ・ミティシャーリー・マクレーン
テッド・ヘンドリックスアダム・スコット
トッド・マハールパットン・オズワルト
オデッサ・ミティキャスリン・ハーン
※データはmovie walkerです。