2014年11月13日(木)
INSIDE LLEWYN DAVIS 2013年 アメリカ
これは冒頭からやられてしまいました。
フォーク好き、ディラン好きなもので。
しかも、ダメ男(どうも「負け犬」という言葉が好きになれないので使いませんが)もの。
このころのアメリカ・フォークソングの不思議な魅力にやられます。
民謡と言われるように、素朴だけれど象徴的な内容。繰り返し。
ギターの渋い音色。もちろん歌声の良さ。
まるで味のないラブソング・フォークがもてはやされる。
あるいは「セーター」の目立つコーラス・グループ。
かといって自分はどうかといわれれば、ドジと失意の連続。
女には罵倒され、姉には嫌がられ、父は施設で垂れ流し。
まるでうまくいかないことばかりの日常が、丁寧に描かれます。
シカゴへと向かう車の同乗者の不思議なキャラクタ。
途中でパトカーにしょっ引かれる無口な男と満足に歩けない大口男。
この男とのやり取りの、へんなリアリティ。
相棒の自殺を揶揄されるくだりとか。
雪に足をとられながらやっとたどりついたゲイト・オブ・ホーンで、曲をきいてもらう。
ジェーン王妃とヘンリー王子?の曲で、とても不思議な雰囲気。
そして一言「金の匂いがしないな」。
帰りの雪の運転場面は「ファーゴ」の名場面を思い出した。
父親の前で歌う「ニシンの大群」も、不思議な感じだったけど、染み入りました。
なんだか、ちょっとしたところが、とても気になる映画。
猫の名前が「ユリシーズ」というのもニヤリ。
ボブ・ディランが少しだけ出てくるのも、はっとした。
話はくるりと戻って、そして「あばよ」と。渋い。
監督ジョエル・コーエン 、 イーサン・コーエン
脚本ジョエル・コーエン 、 イーサン・コーエン
製作総指揮オリヴィエ・クールソン 、 ローベルト・グラーフ 、 ロン・ハルパーン
製作ジョエル・コーエン 、 イーサン・コーエン 、 スコット・ルーディン
撮影ブリュノ・デルボネル
美術ジェス・ゴンコール
音楽T・ボーン・バーネット
衣裳デザインメアリー・ゾフレス
●出演者
オスカー・アイザック
キャリー・マリガン
ジョン・グッドマン
ギャレット・ヘドランド
ジャスティン・ティンバーレイク
イーサン・フィリップス
ロビン・バートレット
マックス・カセラ
※データはmovie walkerです。