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炎の戦線 エル・アラメイン

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2018年10月14日(日)
El Alamein 2002年 イタリア
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イタリアの戦争映画というのは、近代のものとしては初めて観たかもしれません。

新兵が配属されて、前線の過酷さを経験するうちにタフになっていく、というのは過去からよく描かれた物語です。
1942年10月のエジプト戦線。
バイクの二人乗りで、前線に配属された文学と哲学の学生。セッラ志願兵。

エジプトから英国を一掃するはずだった。
ここは南部、国から見放されている。
リッツォ曹長は、行きて帰り長ければ耳をすませ。頭を低く、赤痢は報告しなくていい、サソリに注意と諭す。
4カ月で1mも進んでいない。真水を飲むのは久しぶり。タバコはあるがマッチがない。

日常はのどか。
突然狙撃兵に撃たれたり、88㎜砲で吹っ飛ばされたりする。
水も弾薬もこない。考え過ぎたらだめだ・・・。

というような感じで、淡々と過ぎていく戦場物語。
当然撃ち合いや砲撃などはあるのですが、それよりも果てしなく歩き続けることのつらさ。敗走、砂漠。
ある意味、ドイツ、イタリアは日本との連合がある国なので、事情は似ているかもしれません。
負けていく方の戦争ですね。

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イギリス軍の総攻撃に耐えられず散りぢりになっていく部隊。
途中ラクダをみつけて食べたり、満月に攻めてくる英国軍の話。

よく思い出すのは裏の田園。初霜の降る頃だ。

10月23日、妻の誕生日、30歳だ。
顔が白くなっているデ・ヴィータ。
今夜は満月、他へ合流ということは死ねという事だね。

死は美しいなんてウソ、現実の死はみじめ。
腹に穴の開いたスパーニャ、「イタリアで会いましょう」
命令は前線死守。

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攻撃は続いて、フィオーレ中尉とリッツォ曹長とセッラの3人になり、砂漠を延々と歩いていく。
とにかくフーカまで、と歩いていると、フーカは英軍に占領された、マルサ・マートルへと言われる。100キロ先。

砂漠で見捨てられて3人。
奇跡的にバイクを捨てられたトラックとバイク。
二人を残して、助けを求めにいくセッラ・・・。

エル・アラメインの戦いは、10/23から11/4まで続いた。
イタリア兵104,000名、イギリス兵195,000名。
イタリア兵は退却中に全滅、無名戦士の墓が並ぶ。

印象としては、アメリカ映画、特に「プライベート・ライアン」などの激しい描写があるので、
それに比べると砲撃場面なども、ちょっとおとなしい感じを受けますが、本当はどうなのかはわかりません。

そして、日本では東南アジアでの熱帯地方の悲惨な戦場が語られますが、
エジプトの砂漠の戦場、そして撤退中の全滅というのが、これまた悲劇です。

まだまだ知らないことがたくさんあります。

監督エンゾ・モンテレオーネ
製作リカルド・トッツィー
脚本エンゾ・モンテレオーネ
撮影ダニエレ・ナヌッツィ
衣装デザインヴィンツェンツォ・マストラントニオ
音楽ピヴィオ 、 アルド・デ・スカルツィ
美術エットーレ・グエリエッリ
●出演者
Serraパオロ・ブリグリア
Sgt. Rizzoピエルフランチェスコ・ファヴィーノ
Lt. Fioreエミリオ・ソルフリッツィ
Spagnuoloルチアーノ・スカルパ
Capt. De Vitaトマ・トラバッチ
The generalシルヴィオ・オルランド
The colonelロバート・シトラン
Capt. Medicianジュゼッペ・チェデルナ

※データはmovie walkerです。

ブラジルから来た少年(1978)

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2018年10月20日(土)
THE BOYS FROM BRAZIL 1978年 イギリス
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NHKのBSで観たのですが、すごい映画でした。

老人がナチ関連で謎を追及していく、という展開では、最近の「手紙は憶えている」を思い出しました。
あの映画も少し不気味な空気を持っていましたが、こちらは不気味な空気という面ではそれ以上です。

ネタバレで書きますので、観てない方はご遠慮下さい。

ナチの残党が南米パラグアイで何やら活動し始めているのを、若き追及者コーラーがかぎつけ、
ウィーンの老研究者のリーベルマン(ローレンス・オリヴィエ)に連絡してくる。
中心者のメンゲレ博士(グレゴリー・ペック)が、全世界で94人の65歳の老人を暗殺するという。
それを実行するのはナチスの「同志会」。

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コーラーは殺され、リーベルマンが調査を始める。
65歳の事故死者を訪ねているうちに、青い目、黒髪のそっくりな若い少年がいることに気づく。

それは、クローン技術を使って、メンゲレ博士がヒトラーのクローンを94人作り、世界中に養子縁組でばらまいた結果ということにいきつく。
その計画そのもは別のドイツ人組織から中止を命じられるが、メンゲレ博士は一人で暴走していく・・・。

話自体は、ちょっと無理があるものの、なかなか面白いものです。
特に、双子でも環境が左右する、という説をとっていて、クローンの子供たちを年老いた官吏と若い妻という設定で同じにして、
できるだけ実際のヒトラーに近づけようとしているとこは、変にこだわっていて、マッドサイエンティストの不気味さがよく出てます。

それにしても、名優がそろい踏み。
グレゴリー・ペック、ローレンス・オリヴィエ、ジェームズ・メイソンですからね。
ただ、全員おじいさんで、その分溌剌感はありません。

中でもすごいのが、グレゴリー・ペック。この人がクローンじゃないかと思うくらいの、怪演です。

監督のフランクリン・J・シャフナーは、あの「猿の惑星」(オリジナル版)、あと「パピヨン」もありました。
その監督の趣味なのでしょうか、ところどころとても面白い描写があります。

・屋敷に無線マイクを仕掛ける子供、ホテルの前のテーブルで、向かいの娘のスカートを覗いている
・リーベルマンの住んでるアパートが、水道管の故障で部屋に水が何本も降り注いでいる
・郵便局員?のじいさんを殺すやり方が、立ちションのところへBMWで突っ込むというもので、激しすぎる
・リーベルマンが最初に訪問したところの奥さんが、スカートをちょっと上げてやたら脚を見せるのが、挑発の意味か、不思議な感じ
・ナチのパーティの時に、メンゲレ博士が命令に従わない同志に、いきなり激しく殴りかかる(狂気)
・なんといっても、ラスト近くの、老人二人の取っ組み合い 噛みつき合い?

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そして最も普通じゃない感じなのが、そんな犬にかまれている人たちを写真にとったり、じっと見てたりする子供。
しかも、ラスト近くでは、暗室でその写真をみて、「すげえな」などと言っている場面をいれています。
ぞくっとしますね。

監督:フランクリン・J・シャフナー
製作:マーティン・リチャーズ スタンリー・オトゥール
製作総指揮:ロバート・フライアー
原作:アイラ・レヴィン
脚本:ヘイウッド・グールド
撮影:アンリ・ドカエ
編集:ロバート・スウィンク
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
●出演者
グレゴリー・ペックヨーゼフ・メンゲレ博士
ローレンス・オリヴィエエズラ・リーベルマン
ジェームズ・メイソンエドゥアルド・セイベルト
リリー・パルマーエスター・リーベルマン
ユタ・ヘーゲンフリーダ・マロニー
スティーヴ・グッテンバーグバリー・コーラー
デンホルム・エリオットシドニー・ベイノン
ローズマリー・ハリスドーリング夫人
ジョン・デナーヘンリー・ウィーロック
ジョン・ルビンスタイン デヴィッド・ベネット
アン・メアラカリー夫人
ジェレミー・ブラックジャック・カリー
ブルーノ・ガンツブルックナー教授
ウォルター・ゴテルムント
デヴィッド・ハーストストラッサー
ウォルフガング・プライスロフキスト
マイケル・ガフハリントン
ヨアヒム・ハンセンファスラー
スキー・デュ・モンヘッセン
カール・ドゥーリング トラウスタイナー
リンダ・ヘイドンナンシー
リチャード・マーナー ドーリング
ゲオルグ・マリシカ ギュンター
プルネラ・スケイルズ ハリントン夫人
デヴィッド・ブランドン シュミット

※データはWikipediaです。

カクテル(1989)

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2018年10月23日(火)
Cocktail 1989年 アメリカ
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時代がバブル真っ最中ですね。日本も同じ。

田舎からグレイハウンドバスで出てくるブライアン(トム・クルーズ)。
「アイデアを大金に帰る方法」を読む典型的な上昇志向の若者。

NYのは当然まだツインタワーが見えて、バスからは、10匹くらいの犬を散歩させる男など、都会の風景。

ちょっと「摩天楼はバラ色に」を思い出させるけれど、決定的な違いは、両親が出てくるかどうか。
ブライアンは除隊してNYのパットおじさんを頼ってでてくる。
最後まで両親は一切出てきません。たぶん両親はいないのかもしれない。

で結局学歴や実績がない、ということで企業には入れず、バーでアルバイトをすることになります。

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そこで会ったダグ・コグランというバーテンダーの仕込みで、有名なバーテンダーになっていく。
最初のころこそ、大学に通いMBAをとって、と考えていたのが、結局夜の仕事の方にのめりこんでいく。

で、一番印象的なのが、キャリアウーマンのヒモみたいになって、
夜のパーティに行く場面ですね。

明らかに彼女のツマで、身長も足りないというのが、トム・クルーズにぴったり。
ここは彼のキャラクターがとても良く出ている場面で、将来もこういう方向がいいわけです。

あと、この映画、とてもお気楽で派手な映画かと思っていたら、そうでもなかったのが意外でした。
トム・クルーズが悩みに悩んで、なんとか生活を取り戻していく、という映画なんですね。

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その象徴が、ダグとの付き合いなのですが、ダグが億万長者の奥さんと結婚して、
そのパーティで、彼のヨットで夢だった「ルイ13世」を飲む場面があります。

ここでブライアンがポラロイドでダグを撮るのですが、それがあとを予感させる、雰囲気のある写真なのですね。

まあ、愛するジョーダン(エリザベス・シュー)が実は大富豪の娘だったとか、
やっぱり甘い展開なのはしょうがないですけど、
そして、尻込みする、しない、というやり取りはどうでもいいや、って感じですけど、
あの、ポラロイドはどうも頭に残ります。

やっぱりトム・クルーズは、なにがなんでも爆走するというシーンが見たいですね。

監督ロジャー・ドナルドソン
製作テッド・フィールド 、 ロバート・W・コート
原作ヘイウッド・グールド
撮影ディーン・セムラー
音楽J・ピーター・ロビンソン
美術メル・ボーン
編集ニール・トラヴィス
●出演者
Brian_Flanaganトム・クルーズ
Doug_Coughlinブライアン・ブラウン
Jordan_Mooneyエリザベス・シュー
Bonnieリサ・ベインズ
Mr.Mooneyローレンス・ラッキンビル
Kerry_Coughlinケリー・リンチ
Coralジーナ・ガーション
Uncle_PatRon Dean
EddieRobert Donley
EleanorEllen Foley
DulcyAndrea Morse

※データはmovie walkerです。

ホンドー(1953)

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2018年10月27日(土)
Hondo 1953年 アメリカ
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ちょっと不思議な西部劇でした。

犬をつれて荒野を歩いてくる男ホンドー(ジョン・ウェイン)。
一軒家にたどり着いて、そこでは母アンジー(ジェラルディン・ペイジ)と息子の二人暮らし。

アパッチとの協定で安全を信じる母子に、その協定は白人がやぶったため避難するようにいうホンドー。
騎兵隊への通信係として、荒馬を乗りこなして去っていくホンドーに、恋心を抱くアンジー。

ちょっと違うのはここからで、アパッチの酋長ビットロがこの母子と話をして、
息子が勇敢だというので殺さずに育てようとするところ。
アンジーにもアパッチの妻になれ、と候補者を何人か紹介する。

ホンドーも、実はアパッチと5年ほど暮らしていたという男。
奥さんはデスタルテという名で、英語では表せない、アパッチの生活の中での朝という意味だときかせる。
こういう、単純に白人対インディアンではない、中間的な存在というのが、西部劇にはたまに出てきます。
リチャード・ウィドマークもそんな役回りをやっていましたね。

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新しいところでは、「レヴェナント: 蘇えりし者」のディカプリオもそうだったような気がします。

町では騎兵隊が各所へ派兵しているが、旗色が悪い。
そんなところに、ホンドーが報告に戻る。するとからんでくる男がアンジーの夫、エド。

バーで格闘になるが殴り倒されるエド。
そして、馬を返しに小屋に戻るホンドーを途中で襲おうとして、アパッチに襲われ、ホンドーに助けられるが、
ホンドーを撃とうとして逆に撃ち殺される。

その罪意識を持ちながら、アンジーのところに戻り、居続けるホンドー。
なんだか任侠ものみたいな感じになってきて、ジョン・ウェインが高倉健みたいになっていきます。

途中、アパッチに捕まって、手を焼石で焼かれますが、それに耐えたということで、
ただ殺されすに一騎打ちを許されて、でナイフを胸に刺されたりしますが、結局生き延びます。

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その後、騎兵隊が若い将校のもとで攻めていき、ボロボロになって戻ってきたところで、
近隣家族とともに退却していくところに、アパッチが総攻撃。

そこにホンドーが一隊を指揮をして、百戦錬磨の手腕を発揮、円陣隊形にしたりそれを崩したりを縦横無尽にリードして、なんとか逃げ延びていきます。

映画としては、まあ面白いのですが、相手のアパッチの酋長のキャラクターがけっこういいのに、
あまりうまく描かれておらず、しかもいつの間にか死んでたりする。

ジョン・ウェインも魅力たっぷりなのに、どうも奥さんが煮え切らなかったりする。
インディアンを嗅ぎつけるという犬がいるのに、ほとんど活躍しない。

アクションも、かなり迫力場面はあるけれど、今一つ盛り上がらなかったりする。
この映画3D映画だったらしいですね。125分くらいで短いのに、途中で休憩が入るのはそのせいでしょうか。
メガネが重いから?
あと、やたらとカメラに向かって何かする場面が多いのも、そのせいですね。

いろいろ文句いいましたが、西部劇の一つの典型として、楽しめました。

監督ジョン・ファーロウ
製作ロバート・フェローズ
原作ルイス・ラムーア
脚本ジェームズ・エドワード・グラント
撮影ロバート・バークス 、 アーチー・スタウト
音楽エミール・ニューマン 、 ヒューゴー・フリードホーファー
美術アルフレッド・ヤバラ
編集ラルフ・ドーソン
録音ニコラス・ド・ラ・ロゼ
●出演者
Hondoジョン・ウェイン
Angieジェラルディン・ペイジ
Buffaloワード・ボンド
Vittoroマイケル・ペイト
Lennieジェームズ・アーネス
Silvaロドルフォ・アコスタ
Ed_Loweレオ・ゴードン
Lt.McKayTom Irish
Johnnyリー・アーカー
Major Sherryポール・フィックス
Peteレイフォード・バーンズ

※データはmovie walkerです。

悪の花園(1954)

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2018年10月28日(日)
Garden of Evil 1954年 アメリカ
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久しぶりにゲイリー・クーパー観ました。
これもちょっと不思議な西部劇ですね。

カリフォルニア行きの船が故障して、メキシコ湾に停泊。
プエルト・ミゲルという小さな港町に上陸したアメリカ人たち、
酒場で飲んでいるところに、落盤事故で夫がケガのため、誰か助けにいってほしいという女リー(スーザン・ヘイワード)が現れる。

ちなみに、その酒場で歌っている美女はウエストサイド物語のお姉さん、リタ・モレノですね。

退屈している賭博師フィスク(リチャード・ウィドマーク)、荒くれデイリー(キャメロン・ミッチェル)、元保安官のフッカー(ゲイリー・クーパー)は、
大金が提示されたこともあって、その話にのって山奥へと出発。

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そこからは、アパッチがいつ襲撃してくるか、リーの強気な態度はどこからくるか、
男たちの仲間割れはおこるのか、などなど、ハラハラする展開になっていきます。

中でも、山深い鉱山に行く途中の崖の細い一本道が壮観。

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この映画で、ちょっとわかりにくいのは、結局命を賭けて守ろうとするのが、
女のためとか、金のためではなく、男の心意気、プライドの問題、みたいな展開なるからですね。

それはそれでもいいのですが、それならもうちょっとハラハラドキドキがあってもよかったかなぁ。
相手のアパッチの顔が見えないのが、今一つスリルが盛り上がらない理由かもしれません。

ゲイリー・クーパーもお年ですしね。

リチャード・ウィドマークが、詩人と自称して、意味ありげなセリフをいうのがなかなかかっこいいです。
ラストの夕陽。ウィドマークが「毎日陽が沈む。いつも誰かを道連れに。今日は俺だ。」って渋いです。

音楽はバーナード・ハーマン、西部劇らしからぬ、雰囲気のあるいい音楽でした。

というわけで、いろいろちょっと残念な感じでした。

監督ヘンリー・ハサウェイ
製作チャールズ・ブラケット
原作フレッド・フリーバーガー 、 ウィリアム・ターンバーグ
脚色フランク・フェントン
撮影ミルトン・クラスナー 、 ホルヘ・スタール
音楽バーナード・ハーマン
エミリオ・D・ウランガ 、 ケン・ダービイ 、 ライオネル・ニューマン
美術ライル・ウィーラー 、 エドワード・フィッツジェラルド
編集ジェームズ・B・クラーク
録音ニコラス・デ・ラ・ロサJR 、 ロジャー・ヒーマン
●出演者
Hookerゲイリー・クーパー
Leah_Fullerスーザン・ヘイワード
Fiskeリチャード・ウィドマーク
John_Fullerヒュー・マーロウ
Luke_Dalyキャメロン・ミッチェル
Singerリタ・モレノ
Vincente_Madariagaヴィクトル・マヌエル・メンドーサ
Captainフェルナンド・ワーグナー
Priestアルトゥーロ・ソト・ランゲル
Waiterマニュエル・ドンデ
BartenderAntonio Bribiesca
VictimSalvado Terroba

※データはmovie walkerです。

ニンゲン合格(1999)

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2018年11月3日(土)
大映 1999年
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黒沢清ですね。
最初それすら知らずに観ていたのですが、不思議なオフビート感と、妙に暗い画作りが不思議だったので、あとで知って納得しました。

10年昏睡状態だった青年・吉井豊(西島秀俊、気づかなかった!)が突然意識を回復して、家族のつながりを回復していく物語、ということでしょうか?
そういう粗筋は関係ないかもしれませんね。
まとめることは難しいので、場面の記憶を書いていきます。

14歳のときの交通事故で昏睡、目が覚めてリハビリ、加害者・室田(大杉漣)は50万円ですべて終わりにしようという。
父の友人藤森(役所広司)が、10年間のビデオや雑誌を持ち込んで、見せる。
「ソ連なくなっちゃったんだ」「タイソンってさ、強かったの?」

藤森に連れられて鯉の釣り堀の家へ。そこは自宅だったところ。
ポニー牧場だったところ?

藤森は「おれはお前の親父でもおふくろでもないんだ」といいながら、
ソープに連れて行ったりする。
「そこそこいいね、でももういいや」と豊。

父と母は離婚して、父はほとんど帰ってこないが、オランダからふらりと帰国。
藤森にも責任のなさをなじられる父親。

この父親が豊に別れを告げる場面が、なんとも奇妙な味です。
ベッドに寝ている豊をみながら部屋の隅に、薄暗く壁に同化するように座っている。
母親に会わないか、と住所を教えて、またいなくなる。
ここがすごく気になる雰囲気。

藤森は、豊にトラックの運転を教えたり(「80キロでてるけど」、とかおかしな様子がいろいろ)、
馬を取り戻しにきた馬主に10万円と、月々2万円分割で買ってやったりと、結局いろいろ面倒をみてやってる。

豊は段ボールを潰したり、ゲーセンで頭なぐって逃げたり。
キックボード風のスクータに乗るクラブ歌手ミキ(洞口依子)の店に行ったり。

妹の千鶴(麻生久美子、若い!)が彼氏(哀川翔、いい味)とぼろいスポーツカーで帰ってくる。
自称めざわりな奴。釣り堀に溶けこむ。
妹が土地を分けようと言い出して、ケンカになり二人は出ていく。

母(りりぃ)に会いにいく。アパレルの会社経営。

吉井牧場の再建。杭を打って以前の看板を取り付ける。
帰ってくる父。夜の買い物、全速力で走る二人。なんとなくわかるけどおかしな場面。
父親のなんともとっかかりの作り方の下手なところが、わかる。
父はアフリカへ。

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堀切中学校の同窓会。当時の友人3人で、国見古書店に忍び込んで(豊がカギの番号を覚えている)本を盗む。

藤森は、いなくなっていたが、産廃の不法投棄で警察に追われる。
母が尋ねてきて、一緒に住む。このあたりが不思議だけど、自然。
千鶴と彼も戻ってきて、一緒に住む。まるで家族ドラマ。

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ミルクバーをつくって開業。

ある晩ニュースで、モザンビーク行きの船が沈没、日本人の名の中に吉井真一郎(菅田俊)の名。
宗教団体の一員として。
外務省からも電話。
ところが生きている映像が流れてくる。

千鶴は出ていき、母も自然に出ていく。

ミルクバーにたまたま寄った室田。チェンソーでバラバラに壊す。
君が幸せになるはずるい。

俺はどっかからきた、そしてどっかへ行く。
そろそろ目を覚まさないと。

冷蔵庫などを積んで、藤森が帰ってくる。
積み上げた冷蔵庫が崩れて、豊が下敷きになる。

あのさ、藤森さん、これ夢なの?  --夢じゃない。
俺、存在した? --存在した。

家族が集まって霊きゅう車を見送る。
馬の本にはさんであったNY家族との写真。

まったくリアリティがないのに、すごくリアルに感じる。
そこを出そうとするのは、難しいことだろうなぁ。

もう一度見たくなる映画です。

監督黒沢清
製作加藤博之
プロデューサー下田淳行 、 藤田滋生
脚本黒沢清
企画土川勉 、 神野智
撮影林淳一郎
音楽ゲイリー芦屋
主題歌洞口依子
美術丸尾知行
編集大永昌弘
録音井家眞紀夫
スクリプター小山三樹子
スチール石川登栂子
音響効果丹雄二
照明豊見山明長
整音中田裕章
制作統括鎌田賢一
スタイリスト米村弘光
製作担当金宗晩
●出演者
吉井豊西島秀俊
藤森岩雄役所広司
吉井真一郎菅田俊
岩谷幸子りりィ
吉井千鶴麻生久美子
加崎哀川翔
室田大杉漣
ミキ洞口依子
久留米島裕
看護婦留美
看護婦冬音ゆかり
看護婦橋本沙紀子
釣り堀の常連若者バター犬たろう
釣り堀の常連若者アル北郷
釣り堀の常連若者ガンビーノ小林
トラックに轢かれそうになるオヤジ/ビアホールの花束を持った男諏訪太朗
廃棄物トラックの運転手大鷹明良
役人井上肇
役人岡村洋一
女子店員木村真有子
ゲームセンターの高校生宮下周邦
ニュースアナウンサー石橋正治
  三浦影虎
馬に乗る子供左近香澄
エンディミオ

※データはmovie walkerです。

社長忍法帖(1965)

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2018年11月3日(土)
東宝 1965年
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再スタートの第一弾ということらしいですね。

昭和40年、とても新しい感じ。
すでに東京オリンピックが終わって、一世代変わった雰囲気です。

石川技術部長(小林桂樹)の奥さん京子(司葉子)がおめでたというところから始まります。

岩戸建設では屋上で朝礼(懐かしい!)
森繁社長が「オリンピックはもう過ぎました!」と檄を飛ばします。
ライバルは東西組、ここには負けられないとなります。

マンザイ生命が北海道にビルを建てるということで、
東西組に負けないようにあの手この手。

まあ、話としては、いつものメンバーがいつものようにドタバタやりながら、
森繁社長の浮気は直前でダメになり、部下は失敗し、
ライバルには出し抜かれ、というのが、最後にはめでたしめでたしとなりますね。

フランキー堺は今回は札幌出張所の営業員・毛馬内強(ケマナイ ツヨシ)として、相変わらず可笑しいです。
札幌出張所というくらいなので、建物は木造で、ちょっと一時代前の感じ。

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毛馬内氏も毛ガニをお土産に持ってきて、それを三木のり平が勝手に分配する場面も笑える。
そういえばラーメン三平でスープを一升瓶に入れて、とか頼んでますね。

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味の三平は札幌味噌らーめんの元祖と言われています。
確かに少し前までは、札幌ラーメンというのは特別なものでした。

夜はトルコ風呂でも、というような話も出てますね。

この映画では、タイトルにある「忍法」というのがやたらと出てきて、
ゴム製のトンカチで忍法カタトンカチとか、ライバルに女を使うといって忍法くのいちとか言ってます。
他にも忍法三角電話とか、忍法回転レシーブ、忍法嫉妬返しなんてのもありました。
なにか、忍法がはやったんでしょうか。

あと、「夫婦関係をガラス張りに」というのも端々に出てくるので、こんなキーワードもあったんでしょう。

ラスト、昭和新山が見えたりして、やっぱり新しい感じがします。
その分昔のハチャメチャな感じがなくなりつつありますね。
これも時代でしょうね。

監督松林宗恵
製作藤本真澄
脚本笠原良三
撮影鈴木斌
音楽神津善行
美術村木忍
編集岩下広一
録音伴利也
スチル秦大三
照明石井長四郎
●出演者
岩戸久太郎森繁久彌
岩戸登代子久慈あさみ
石川隆小林桂樹
石川京子司葉子
石川まつ英百合子
戸樫忠造加東大介
間々田弁次郎三木のり平
毛馬内強フランキー堺
鈴千代池内淳子
澄江新珠三千代
百合子団令子
平山厚子中真千子
平山文男堺左千夫
文男の息子溝江千里
武田東野英治郎
武田夫人一の宮あつ子
料亭の女中佐渡絹代
作業員勝部義夫
ホテルのボーイ井上大助
空港の作業員岡豊
岩戸邸の女中浦山珠実
大松坪内美詠子

※データはmovie walkerです。

アリスのままで(2014)

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2018年11月4日(日)
STILL ALICE 2014年 アメリカ
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50才のアリス(ジュリアン・ムーア)は大学の言語学の教授。
ところが、授業で簡単な言葉が出てこなくなったり、ジョギング中に道に迷ったり。

若年性のアルツハイマーと診断されて、それからの進行具合と家族の物語なんですね。

同じテーマとしては、日本映画「明日の記憶」があります。
こちらはバリバリの会社員という設定でしたが。

アメリカ映画だから、というわけではないですが、
まずやることが、家族が陽性か陰性かというチェックというのが、なかなかです。

「こんなのはイヤだ。ガンなら良かった。恥ずかしくない。」
というセリフがありました。
これで思い出すのが、山田洋次監督の「学校」シリーズの中で、
「もっとバカならよかった。自分のダメさがわからないから。」と言っていた軽度知的障害者のセリフ。

また、自分の親や親せきの老人性痴呆を見ていると、
記憶がなくなっていくこと、幼児化していってしまうことは、
確かに人の尊厳を無くしていってしまうという残酷さがあります。

理解していても、家族の苦労は並大抵ではなく、
その意味ではこの映画の家族は、経済的には恵まれており、
家族の協力という面でも、理想的な描かれ方になってます。

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却って、その辺りが違和感になるかもしれません。
まあ、娘たちの問題とか、夫が転勤になってしまうとか、問題はそれなりにあるのでしょうが。

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PCのファイル、自分宛の動画をつくっておくとか、
自殺用の準備をしておくとか、リアルにそんなこともあるのでしょう。

魂は雲のようにつながる 失われるものはない

何の話だった?愛についての話。

監督リチャード・グラッツァー 、 ウォッシュ・ウェストモアランド
製作レックス・ルッツス 、 ジェームズ・ブラウン 、 パメラ・コフラー
製作総指揮クリスティーン・ヴェイコン 、 マリア・シュライバー
原作リサ・ジェノヴァ
脚色リチャード・グラツァー 、 ウォッシュ・ウエストモアランド
撮影デニス・ルノワール
音楽イラン・エシュケリ
編集ニコラ・ショードゥルジュ
●出演者
アリスジュリアン・ムーア
リディアクリステン・スチュワート
ジョンアレック・ボールドウィン
アナケイト・ボスワース
トムハンター・パリッシュ
チャーリーシェーン・マクレー
フレデリックセス・ギリアム
ベンジャミン博士スティーヴン・クンケン
ジェニーエリン・ダーク
エリックダニエル・ジェロール

※データはmovie walkerです。

キャプテン・スーパーマーケット(1992)

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2018年11月4日(日)
Army of Darkness 1992年 アメリカ
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国立映画アーカイブで観ました。

一応サム・ライミで、「死霊のはらわたⅢ」だという認識はあるのですが、
だいたい2は見てないし、そもそもなんで「キャプテン・スーパーマーケット」?

それはすぐにわかりました。
主人公ブルース・キャンベルがSマートの店員だからですね。

冒頭は前作?からのつながりで、彼女リンダ(ブリジット・フォンダ!)と山小屋のキャンプ。
そこで死者の書を開けたために、死霊がよみがえって、取りつかれた腕を切り落とすというところのおさらい。

そこから、なぜか中世へ。
アーサー王の時代?捕虜の列に加えられて、けだものの穴に落とされる。
そこで腕のチェンソーを投げ込まれて、仮面ライダーのように『合体!』して腕にチェンソーが。

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この辺からすでについていけていけなくなってます。

まあハチャメチャですね。

鏡が割れてそこからミニブルース・キャンベルがうじゃうじゃでてきたり、
自分が二人になって、体が一つでケンカしたり、それが分裂したり。

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結局いいブルース・キャンベルと悪いブルース・キャンベルの戦いですか?
しかもブルース・キャンベルがそのまんな溶け込んでる。

大切なところで呪文を忘れたたり(でもけっこう覚えていてえらいと思ってしまった)、
結局のところ何なんだという話ですが、
それをいっちゃぁ、この映画には来ないでほしいなぁということですね。

一番面白いのは、このブルース・キャンベルの過剰さとストーリーのハチャメチャさかもしれません。
こんな映画、今見ようと思っても誰も作ってくれないでしょうし。

だから今でも見たくなる。

監督サム・ライミ
製作ロバート・タパート
脚本サム・ライミ 、 アイヴァン・ライミ
撮影ビル・ポープ
SFXウィリアム・メサ
特殊メイクケーエヌビー・エフェクツ・グループ 、 ロバート・カーツマン 、 グレゴリー・ニコテロ 、 ハワード・ベルガー 、 Ash & Sheila 、 トニー・ガードナー 、 アルテリアン・スタジオ
音楽ジョセフ・ロデュカ
主題曲ダニー・エルフマン
美術Tony Tremblay
編集ボブ・ムラウスキー 、 Roc Sandstorm
録音アラン・ハワース
字幕岡田壮平
●出演者
Ashブルース・キャンベル
Shellaエンベス・デイヴィッツ
King Arthurマーカス・ギルバート
Wisemanイアン・アバクロンビー
Duke Henryリチャード・グローヴ
Lindaブリジット・フォンダ
Evil Ashブルース・キャンベル

※データはmovie walkerです。

緑の光線(1986)

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2018年11月11日(土)
Le Rayon Vert 1986年 フランス
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夏の1カ月間程の物語。
とても軽やかな、少し風変わりな物語。

7月2日の月曜、フランス、バカンスに行く相手に急に断われられて、
こまってしまっている独身女性のデルフィーヌ(マリー・リヴィエール)。

元カレに連絡するか、親戚の家族に合流するか、
まわりもいろいろ心配するけれど、なかなかうまくいかない。

そもそも、このデルフィーヌというのが、ちょっと小難しい女性。
やぎ座、強情なのが災い、と言われる。

偶然見つけるトランプ。
スペードのクィーン。

緑は今年の私の色。

シェルブールに友人と行く。ナンパはダメ。
肉食べない、花は食べない。
船もダメ。一人で泣く。

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パリに戻っても、何をしていいかわからない。
セーヌ河で日光浴の人たち。偶然会うイレーヌ。
ビアリッツに部屋があるという。
海水浴の人たち。

岩場でカードを拾う。ハートのジャック。

ジュール・ベルヌの「緑の光線」がすごく面白い、と話している女性たち。
「主人公は本物の緑の光線を探している」
緑の光線を見た人は、自分と人の気持ちがわかる、という。

太陽が水平線に消えそうになるときに見えるが、すぐに隠れてしまうという。

そのあとも、男たちを物色したり、悩んだり。
ロマンチックな人が好き。
どうすればいい?
私には何もない、あれば恋人ができる。泣き出す。
私には何の価値もないから・・・。

8月4日、8:52 パリに帰ろうとしたデルフィーヌ、駅でドストエフスキーの白痴を読む男に出会う。
研修でリュズに。ここから電車で5分。連れてって。

「緑の光線」という店。
男にバイヨンヌに誘われる。
もう少し待って。太陽が沈んでいく。一瞬の緑。「見えたわ!」。
泣いてるの?

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このデルフィーヌに共感する女性が、かなりいるんでしょうね。
そして、こんな風に映画をつくりたい、という人もかなりたくさんいると思います。

アメリカ映画の過剰な演出に疲れて、イギリス映画のアイロニーに嫌気がさして、日本映画の重たさに嫌気がさして。

監督エリック・ロメール
製作マルガレット・メネゴス
脚本エリック・ロメール
撮影ソフィー・マンティニュー
音楽ジャン・ルイ・ヴァレロ
●出演者
Delphineマリー・リヴィエール
  Amira Chemakhi
  Syrvia Richez
  リサ・エレディア
  Basile Gervaise
  Rene Hernandez
  Dominique Riviere
  Isabelle Riviere

※データはmovie walkerです。

木と市長と文化会館または7つの偶然(1992)

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2018年11月11日(日)
L'Arbre, Le Maire et La Mediatheque ou Les Hasards 1992年 シネセゾン
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小学校の授業で先生が教えています。条件法の従属副詞節を教えています。それが各章のタイトル。
つまり、それぞれが逆になっているということなんですが。

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I章: もし1992年3月地方選挙の前に大統領の属する左派が議会少数派になってなければ

II章: もしジュリアンが選挙後に小説家のビリヴァージュに恋をしていなかったら

III章: もし保護地区の木が風雨に耐えて奇跡的に残っていなかったら

IV章: もし雑誌『明後日』のブランディール・ルノアールが、ラジオ放送を録音するために留守番電話を切っていなかったら

V章: もし雑誌の入稿時に、ブランディーヌがユニセフに付き添いソマリアに行っていなければ

VI章: もし市長の娘ヴェガが教師の娘ゾエが通る道にボールを飛ばしていなかったら

VII章: もしある公務員が通常の業務を熱心に遂行していなかったら

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つまりこの田舎の市で左派の市長が、市民会館を建てて地方を盛り上げようと考えている。
しかし、恋人のパリの小説家の女性が設計に口出しをし、
市長へのインタビューは大きくカットされ、残っていた木の記事が採用されたことに後から気づき、
反対派の娘と市長の娘が仲良しになり、プロジェクトに反対され、
建設予定地の地盤に問題があることがわかって、結局、市民会館プロジェクトは中止、というお話。

新しい解決策、それは何もやらないこと、という訳ですね。

7つの偶然が重なってプロジェクトが中止されたということ。
現実にはそんな偶然は重ならず、住民の声やまともな意見はなかなか通らず、
動き出したプロジェクトは、誰も好まない形で出来上がってしまう、しかも欠陥プランとして。

それが、じつにほんわかとした表現で、でも条件法従属副詞節で語られていくんですね。
現実の流れと同じように。

監督エリック・ロメール
製作フランソワーズ・エチュガレー
脚本エリック・ロメール
撮影ディアーヌ・バラティエ
音楽セバスチャン・エルムス
編集メアリー・スティーブン
録音・ミキシングパスカル・リビエ
●出演者
Julien_Dechaumesパスカル・グレゴリー
Berenice_Beaurivageアリエル・ドンバール
Marc_Rossignolファブリス・ルキーニ
Blandine_Lenoilクレマンティーヌ・アムルー
Rogis_Lebrun_Blondetフランソワ・マリー・バニエ
Jean_Walterジャン・パルヴュレスコ
Mme_Rossignolフランソワーズ・エチュガレー
ZoeRossignolギャラクシー・バルブット
Vega_Dechaumesジェシカ・シュウィング
La_Secretaireレイモンド・ファロ
La_Jenue_Fille_au_pairマヌエラ・ヘッセ

※データはmovie walkerです。

ヴァンサンへの手紙(2015)

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2018年11月11日(日)
J’AVANCERAI VERS TOI AVEC LES YEUX D’UN SOURD 2015年 フランス

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ドキュメンタリーです。柏 キネマ旬報シアターで観ました。

監督のモノローグ、23歳のこと、デフクラブに戻りたい、という話で始まる。
ろう者の友だちを募集した1990年ごろ、手紙をくれたのはヴァンサンだけだった

2003年に、演劇をはじめたヴァンサンがどれだけ苦労したか。
あの日初めてしったというレティシア。

ろう者の存在を知らせるための映画を二人でつくり始めた。
そしてヴァンサンが去って10年、一人で作り続けている監督のレティシア。

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この映画が見せるのは、フランスではろう者が、手話を禁じられ発話訓練(口話)を強要されたこと。
フランスでは1万6000人の聾者がいるのに、手話教育を受けたものは160人のみ、という話も出る。

口話を教わって普通に話していると思っていたら、
あるとき床屋で「女の子のように小さい声だからわからない」と言われて、それ以来筆談になったという人。

コミュニケーションの問題なのですが、考えれば普通に聞こえる人でも、それはとても難しいこと。
まして、相手の言っていることがわからない場合には?
しかも自分が伝える手段をはっきりと持たない場合には?

パリからミラノへ、1000kmの行進をするろう者。
途中まではまったく注目もされないまま、ただ行進ししていく。

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のけ者にされる気持ち。
何も知らないまま育っていくことの苦労。
いつだって周りの大人たちが勝手に決めてしまう。

本当に問題なのは有識者の聞く耳をもたない態度だ、というユゴーの言葉。
問題を外に出さないと内面に隠れていいる。
内面に隠れた問題を掘り下げなければいけない。

この映画には、そのような悩みを抱える人たちが大勢出てきます。

聞こえる人たちと聞こえない人たち。
そしてヴァンサンは、その両者の架け橋だった。
そのヴァンサンは自ら命を絶って、彼への手紙がこの映画になっています。

ろう者の世界、日本はどうなっているのでしょうか。
同じような悩みでできていて、私たちがただ、知らないだけなのでしょうか。

監督:レティシア・カートン
撮影:ジェルトリュド・バイオ、レティシア・カートン、パスカル・マラン
音響:ニコラ・ジョリー、ジャン・マレ
音楽:カミーユ(『レミーのおいしいレストラン』主題歌)
編集:ロドルフ・モラ
プロデューサー:オリヴィエ・シャルヴェ、ソフィ・ジェルマン
副プロデューサー:ガブリエル・シャバニエ
製作:カレオ・フィルム/共同制作:ル・ミロワール
共同配給:アップリンク、聾の鳥プロダクション
宣伝:リガード
助成:笹川日仏財団
●出演者
レティシア・カートン
ヴァンサン
ステファノ
カミーユ

※データはmovie walker、公式HPからです。

ニッポン国VS.泉南石綿村(2017)

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疾走プロダクション(配給協力:太秦) 2017年
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大阪泉南、石綿村と呼ばれた地区のドキュメンタリー。
20年以上暴露で肺がんや肺脾腫の被害。
戦前からわかっていたというが、国の無為無策ではないか、という被害者の会の人たちと弁護団。
2006年5月に立ち上がる。長い戦い。

被害者がどんどん亡くなっていく。

被害者の会は他の地区にも手を広げる。
鳥取、隠岐。
裁判などをいやがる家族たち。安らかに亡くなった人たちが台無しになる、という家族。
一方で、壱岐から大阪泉南へ行ったに人たちの楽しげな感じを話す人たち。
ミヨシはいい会社だった、芝居も250円で観に行けた・・・。

沖縄や韓国にも同じ立場の人を探していく。

この映画、原監督の思いは、結局弱者にしわ寄せがすべていっている。
国はそれを絶対に認めない、という怒り。
弱者とは、端的に言うと貧困者と在日韓国人。ここで働くしかない人たち。

中で、あとから学校に通って字が読み書きできるようになったという老女がいました。
学校にくるまでびくびくしていたけど、自信や誇りを取り戻したという、しみじみとした話。

繰り返される裁判、判決が出ても控訴。亡くなっていく原告団の人たち。
真綿で絞殺すようだ、という表現があった。

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原監督の引き出そうとする怒り、途中から明らかに挑発してますし、そこまで見せてます。
原告団の被害者の誇りと国という得体の知れないものが見えてきます。

弁護団を司法村と言い放つ、あの柚岡さんがいなければ成り立たなかったのかもしれないです。

厚労省での押し問答が、現実のものであるため、あまりに悲しい。
その官僚の対応をいちいち見せている。

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これは何が正しいとか、正義とは何かとかいう問題ではないですね。
誰かに対して何かを主張するときに、このような事が多かれ少なかれ起こることの怖さと悲しさです。

最後に並ぶなくなった方々の写真が出ます。意外とみな長生きにも見えるのは実体を知らないからでしょうか。
苦しみながらの生活を思わなくてはいけないのでしょう。

言いたいことをこらえて、マイルドにすること、この難しさ。

3日前になくなったところへ訪問する塩崎大臣。これがドキュメンタリーの凄さです。

賠償の対象から外された佐藤さんの忸怩たる想い、そして、賠償の対象から外された佐藤さんが、訪問した大臣に駆け寄ってお礼をいう場面、これも凄いところです。

柚井さんが言います。
「自分の怒りをストレートにぶつけた人は一人もいなかった」

2015年1月25日の第27回原告団総会が最後。
お金の分配のところまで映しているのです。
8億2900万円。分配できるのは5億6200万円。

最後には2008年から亡くなっていった人達の写真が並んでいきます。

長い映画ですが、随所に挟まる似顔絵が醸し出す温かさが、この映画の深さを思わせます。
決して一方的な描き方ではない。
むしろ、あえて一方的な撮り方を見せて、もう一段上に上っているからと感じます。

監督原一男
製作小林佐智子
構成小林佐智子
撮影原一男
音楽柳下美恵
編集秦岳志
整音小川武
制作島野千尋
●出演者


※データはmovie walkerです。

スワンの恋(1983)

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2018年11月17日(土)
Un Amour de Swan 1983年 フランス/西ドイツ
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「スワンの恋」は「失われた時を求めて」の一部分だということは知っているのですが、読んだことはない。

スワン(ジェレミー・アイアンズ)ユダヤ人の株売買人の息子で上流階級。
ある時、オデット(オルネラ・ムーティ)の胸元の蘭を直すときに香りを嗅いで、虜になっていく。

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彼女を追いかけるスワン。御者にも笑われるような醜態。それでも追わずにいられない。
オデットにはフォルシュヴィル子爵が付き合っている。

恥ずかしいほど夢中になっていくスワン。
オデットは高級娼婦であり、女性とも同性愛経験をしている。

ボッチチェリの壁画に似ていると表現。

ピアノの演奏が現代音楽のようなモダンな感じを受ける。

引き離されたり、愛の言葉を言われたり。
翻弄されるスワン。
「恋の病で死にそうだ」

こういう物語って、形を変えていろんな描かれ方をしてますよね。
観かたによっては、男のバカさ加減、にもなるし、女の異常な魅力、ということにもなります。
それが、理性でコントロールできないほどの激情になるところが、何度も描かれる理由でしょうね。
ただ、それがうまく映画に描かれるかどうかは微妙。

この映画も、それがうまく伝わってきたかと言われると、やや疑問です。

オルネラ・ムーティのオデットがなんとも肉感的。
そしてアラン・ドロン演じるシャルリス男爵が、いかにも退廃的。
娼婦と男色。アラン・ドロンがいいです。

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監督フォルカー・シュレンドルフ
製作マルガレット・メネゴス
原作マルセル・プルースト
脚本ピーター・ブルック 、 ジャン・クロード・カリエール 、 マリ・エレーヌ・エスティエンヌ
撮影スヴェン・ニクヴィスト
衣装デザインイヴォンヌ・サシノー・ド・ネスル
音楽ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ
美術ジャック・ソルニエ
編集フランソワーズ・ボノー
●出演者
Carles Swannジェレミー・アイアンズ
Odette de Crecyオルネラ・ムーティ
Baron de Charlusアラン・ドロン
Duchesse de Guermantesファニー・アルダン
Madame Verolurinマリー・クリスティーヌ・バロー
Chloeアンヌ・ベネント
Duc de Guermantesジャック・ブーデ
Forchevilleジュフロワ・トリー

※データはmovie walkerです。

アンカーウーマン(1996)

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2018年11月17日(土)
Up Close & Personal 1996年 アメリカ
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地方からキャスターとしてのし上がろうとする女タリー(ミシェル・ファイファー)と、
妥協しないために仕事をほされて地方局にいるプロデューサー、ウォーレン(ロバート・レッドフォード)。

彼がずぶの素人タリーの魅力を発見して、磨いていく。
タリーは苦労しながらも、フィラデルフィア、そしてNYへと昇っていく。
ウォーレンは、ジャーナリスト魂を再確認して、パナマの危険な地へとレポーターにいく・・・。

主演がこの二人だし、展開も想定どおりなので、まあこんなもんかという感じもあります。
いわゆる一時期のハーレクインのようなお話。

ミシェル・ファイファーは、「ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」のような蓮っ葉ではなく、
意外と純情で、初めてのお天気キャスターのときはトイレで便器に覆いかぶさっている。

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ウォーレンはモテ男で、離婚も何度もしているし、今でもトップキャスターの元妻もいる。
それでも、タリーの一生懸命さと、タフなところ、憎めないキャラで二人が近づいていって・・・。

スター誕生のようでもあるし、よくある恋愛ドラマのようでもある。

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でも、なんとなく観てしまうし、最後はわかっているけど、そうなっちゃいますか、という感じ。
キャスターものでは、ニコール・キッドマンの「誘う女」という怖い映画もありました。

ミシェエル・ファイファーがフットボール場で歌う「見果てぬ夢」はよかったなぁ。

監督ジョン・アヴネット
製作ジョン・アヴネット 、 デイヴィッド・ニックセイ 、 ジョーダン・カーナー
製作総指揮エド・フックストラッテン 、 ジョン・フォアマン
原案Alanna Nash
脚本ジョーン・ディディオン 、 ジョン・グレゴリー・ダン
撮影カール・ウォルター・リンデンローブ
衣装デザインアルバート・ウォルスキー
音楽トーマス・ニューマン
美術ジェレミー・コンウェイ
編集デブラ・ニール=フィッシャー
●出演者
Warren Justiceロバート・レッドフォード
Tally Atwaterミシェル・ファイファー
Marcia McGrathストッカード・チャニング
Bucky Terranovaジョー・マンテーニャ
Joanna Kennellyケイト・ネリガン
Ned Jacksonグレン・プラマー
John Merinoジェームズ・レブホーン
Rob SullivanScott Bryce
Fernando Buttandaレイモンド・クルーズ
Luanne Atwaterデディー・ファイファー
Dan Duaranteミゲル・サンドヴァル
Buford Sellesノーブル・ウィリンガム

※データはmovie walkerです。

マイ・インターン(2015)

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2018年11月18日(日)
THE INTERN 2015年 アメリカ
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これはよく出来ていますね。
アン・ハサウェイでいえば、「プラダを着た悪魔」から何年?というところですか。

ロバート・デ・ニーロが、いい役すぎます。
退職者の理想形ですね、これ。

妻には先立たれて、お金には困っていない。元気もある。
やることがない。友だちもそんなにいない(ここがちょっと変かもしれない)。

やることはきちんとしていて、いつの間にか仕事も覚えて、社長の秘書のようなことまでこなす。
そんな人、まあいないと思いますけどね。

なんだか、物語としては日本でもこのまま通用しそうな感じです。
なにしろ60歳定年前後のオジサンたちがうじゃうじゃいますからね。

主婦から起業したネット通販会社が、200人以上の大きな会社になっていく。
しかし、家事をする主夫の夫や娘とのすれ違い、部下たちとのスピード感の違いなどで悩むジュールズ(アン・ハサウェイ)を、ベン(ロバート・デ・ニーロ)が少しずつサポートして、いい方向にもっていく。

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ほんとに、こんな風になれば幸せですが、実際は、もう一人のおばさんみたいに、車の運転もまともにできず、PC操作もあやしいくせに、プライドは高い、という人たちが多いですからね。

それでも、ちょっとしたところの面白さ。
瞬きしない人を信じない(これってやたら言ってますけどそんな話があるのかな)とか、ママ会での働く女性への嫉妬っぽいやり取りとか。
ベンの持つアタッシェケースが定番のレアもので、逆にクールでマネするとか。
恋人との仲直りにもいろんなアドバイスしていい展開にするとか。

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いつの間にかマッサージ師のレネ・ロッソが家にいる?
だいたい、レネ・ロッソのマッサージ師がいるか?って感じですけどね。

一番面白かったのは、今時のネット企業に働いていそうな人たちのいでたちが、いかにも、だったこと。
アン・ハサウェイの夫も、まさしくこんな感じ、という風で感心しました。

ストーリーでは、社外からCEOを招くためにジュールズが奔走する、という展開でしたが、

まあ、そういうことは言いっこなしで、悩まずに観れる気持ちのいい映画ではありました。

監督ナンシー・マイヤーズ
製作ナンシー・マイヤーズ 、 スザンヌ・ファーウェル
製作総指揮セリア・コスタス
脚本ナンシー・マイヤーズ
撮影スティーブン・ゴールドブラット
衣裳ジャクリーン・デメテリオ
音楽セオドア・シャピロ
編集ロバート・レイトン
キャスティングラレイ・メイフィールド
プロダクション・デザインクリスティー・ジー
●出演者
ベンロバート・デ・ニーロ
ジュールズアン・ハサウェイ
フィオナレネ・ルッソ
Jasonアダム・ディバイン
Davisザック・パールマン
Dorisシリア・ウェストン
ジュールズのママメアリー・ケイ・プレイス

※データはmovie walkerです。

僕のワンダフル・ライフ(2017)

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2018年11月23日(金)
A DOG'S PURPOSE 2017年 アメリカ
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犬の物語。
しかも、生まれ変わっても旧知の飼い主を忘れずに、最後まで主人に愛を注ぐという、犬好きにはたまらない物語ですね。

この主人公の犬は、最初から生まれ変わりを記憶しているという設定です。
まずはすぐに死んでしまって、「また最初からだ」とか言って始まります。

ゴールデン・リトリバーになって、野犬処理の車から、
たまたまイーサンに助け出してもらったベイリー。

父親はなんとなく暗く、最後には酒に逃げ、家族のやっかいものとなります。
この父親の描き方がなんとなく気になります。
最初はがんばって働いているのに、なかなか認められず、左遷のようになり、酒におぼれる。

ほんとは犬と父親って相性がいいように思ってますが、この映画は違うんですね。
次の飼い主も、シングルの男性で、無くした妻を思い寂しい暮らしをしている。
実は主人公のイーサン(K.J.アバ/デニス・クエイド)も、寂しい生活をすることになるわけで、男はつらいよ、という映画でもあります。

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ちょっと珍しいのは、外に置き去りにされるというひどい飼い主のところでの描写もあって、
決していい犬生だけの話でもないのです。

主人公イーサンは、学生までは花形選手、それが父親の存在が間接的に影響して、
友人の悪意を受けて、自宅が火事になり、母親と犬を先に助けて、自分はけがをしてしまいます。
それで、フットボールの選手生命を奪われて、ハンナ(ブリット・ロバートソン)との別れを決意します。

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その二人を、生まれ変わったベイリー(バディ)が引き合わせ、昔を思い出し、ともに喜ぶ時間を生み出す。

感動的ですね。
犬が果たす理想的な、あるいは誰もが納得する役割を、自分から果たしていくという物語。

魂が次の体に引き継がれていくという物語で思い出すのは「天国からきたチャンピオン」。
こちらは、生まれ変わりではないのですが、魂が別の人に入っていくというところは似ています。
画面ではウォーレン・ベイテイの姿は変わらないのですが、周りからは違う姿に見えているという設定でした。

そして、瞳で気が付くんですね。
こちらの映画の場合では、さすがに犬の瞳というのは厳しいので、くるくるまわるという癖とよく遊んだあるものを持ってくることで気が付きます。

あと、この映画の中でいいな、と思ったのは、
男女がいい感じになったときに、犬の感覚で「あ、なんだか甘い空気が流れている」という場面が何度かあるんですね。
やっぱり何か目に見えない何かが体から出るのかもしれません。フェロモン?

まあ、全体的にちょっと想定通りみたいなところですが、犬だからいいんです。
私戌年で、犬好きです。

監督ラッセ・ハルストレム
製作ギャヴィン・ポローン
原作W・ブルース・キャメロン
脚本W・ブルース・キャメロン 、 キャスリン・ミション 、 オードリー・ウェルズ 、 マヤ・フォーブス 、 ウォーリー・ウォロダースキー
音楽レイチェル・ポートマン
編集ロバート・レイトン
プロダクション・デザインマイケル・カーリン
撮影監督テリー・ステイシー
●出演者
大人のイーサンデニス・クエイド
大人のハンナペギー・リプトン
10代のイーサンK.J.アパ
10代のハンナブリット・ロバートソン
カルロスジョン・オーティス
ベイリー/バディ/ティノ/エリージョシュ・ギャッド

※データはmovie walkerです。

マイケル・ムーアの世界侵略のススメ(2015)

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2018年11月25日(日)
WHERE TO INVADE NEXT 2015年 アメリカ
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ご存知マイケル・ムーアが、なかなか戦争に勝てないアメリカに、
他国へ侵略してより良いものを「略奪」してこようという作戦を実行。
まあ、逆説的に実行しているのですが、その内容は日本に照らし合わせても、驚きの連続。

これは「クール・ジャパン」とか言って、外人にちやほやされて喜んでいる場合じゃない!と、
本気で思いますね。悲しすぎます。

最初はイタリア、有給休暇が8週間あって、13カ月目には1か月のボーナス休暇が翌年にもらえる。
お昼は自宅に帰って、2時間。
ストレスはためない。
小さい会社だけ?いやドゥカティのCEOも会社の利益と福利厚生は両立すると明言。
「お金持ちになる意味は?」

アメリカでは有給休暇は「0」(これもすごいが)
パプアニューギニアとアメリカ以外は出産休暇がもらえるのが普通。

フランス
小学校のカフェテリアのおいしそうなこと!
コカ・コーラなんて飲まない。
選べるチーズデザート。
医療費ゼロ。

フィンランド
宿題がない。子供は子供らしく楽しまないと、という先生。
授業を減らして学力が伸びた。統一テストもやめた。
どこの学校がいいかわからない?どこも同じだから近くの学校が一番です。

スロベニア
大学は公費で賄う。学生は借金ナシ。

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ドイツ
休暇中の部下に連絡を取るのは違法、終業後にメールを送るのは禁止

ポルトガル
ドラッグを違法にすることをうやめた。医療費をタダにして受診しやすくした。

ノルウェー
刑務所では家を持ち自分で鍵を管理。社会復帰のため。
殺人事件発生率世界最低。

チェニジア
女性の権利を重視。中絶のサービスが国の提供。

アイスランド
世界初の女性大統領選出。女性のトップが多い。金融危機は男性型の経営が招いたとの反省から。
それらの経営者は処罰された。経済は復活。

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まあ、ある面だけ取りあげて、ということになるわけですが、
それにしても、日本の常識では考えられないことも多いですね。

面白かったのは、「これらはアメリカを参考にして始めた」ということが多かったこと。
マイケル・ムーアもそれを感銘深くレポートしています。

それにしても、一番うらやましいのはイタリアかな。
彼らほんとに幸せそうな感じですもんね。

日本には女性経営者、管理職も僅かですし、企業や自治体もまだまだオジサンの世界です。
これだけでも早く変えねばなりません。
ニッポンも早く侵略を!

監督マイケル・ムーア
製作マイケル・ムーア
脚本マイケル・ムーア
●出演者
マイケル・ムーア
イタリア、フランス、フィンランド、スロベニア、ドイツ
ポルトガル、ノルウェー、チェンジア、アイスランド各国の人たち

※データはmovie walkerです。

太陽はひとりぼっち(1962)

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2018年12月1日(土)
L'Eclipse イタリア/フランス 1962年
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モニカ・ビッティの諦めたのような表情がとてもいいです。
黒い服がとても似合っている。
それが、白い服になると、全く違う人に見える。

あのアパートでのアフリカン・ダンスもまるで別人のようでした。

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イタリアでも株ブームがあったんですね。
なんだか意外な感じ。そして大暴落。

株屋のピエロ(アラン・ドロン)もいかがわしくていいです。

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婚約者との間柄を解消。
街を歩く。

夜中の酔っ払いの車、翌日川から引き上げられる車。

ママは1000万リラの損と言っている。
カフェで太ったおじさんが全財産を無くして、花をメモに書いている。
アメリカの大暴落の描写とは全然違いますね。

ピエロとの付き合い、新車BMWを買ったと見せる。
彼とのキス、一夜が明ける。

木々、建物、乳母車、馬車。
ドラム缶から流れ出る水。
ビットリアの今日がまた始まる・・・。

叙情派の映画ですね。
最近あんまりこういう映画みてないなぁ。
大人の愛の映画。

ちなみに、主題曲は有名ですよね。
チェッカーズの「ギザギザハートの子守歌」をきくとこの映画の主題曲を思い出します。

監督ミケランジェロ・アントニオーニ
製作ロベール・アキム 、 レイモン・アキム
脚本ミケランジェロ・アントニオーニ 、 トニーノ・グエッラ 、 エリオ・バルトリーニ 、 オティエリ
撮影ジャンニ・ディ・ヴェナンツォ
音楽ジョヴァンニ・フスコ
美術Piero Poletto
●出演者
Pieroアラン・ドロン
Vittoriaモニカ・ヴィッティ
Riccardoフランシスコ・ラバル
Mother of Vittoriaリッラ・ブリグノン
Patron of Pieroルイ・セニエ
Anitaロッサナ・ローリ

※データはmovie walkerです。

フォーエバー・フレンズ(1988)

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2018年12月1日(土)
Beaches / Forever Friends 1988年 アメリカ
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境遇の違う二人の女性の親友関係を描いたドラマ。

アトランティック・シティの海岸で、迷子になった少女ヒラリー(マーシー・リーズ)を助けるCC(メイム・ビアリク)。
CCは芸人の娘、ヒラリーは富豪の娘と、まったく境遇はちがうものの、それゆえにひきつけ合う二人。

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文通を長く続け、成長した二人(ベット・ミドラーとバーバラ・ハーシー)は同居し、
恋人を取り合い、仲たがいをし、どちらも結婚するも、どちらも破局を迎え、そしてお互いにまた理解しあうというお話。

やはりベット・ミドラーの魅力がすごいですね。
歌もたくさん入ってますし、 "Wind Beneath My Wings"(愛は翼にのって)や冒頭とラストの「愛の物語」などは映画とシンクロして泣かせます。

一番印象に残ったのは、CCブルームの母親が、「お前はtoo mutch attention かまって病なんだよ。一緒にいると気が休まらない」という場面。
そういう女性(男性もいますが)の一生という物語かもしれません。
そして、その周りには一緒にいられない人たちがたくさん・・・。

また、劇中でも出てきますが、女性の嫉妬の物語でもあります。
美貌や財産、結婚相手、才能、成功などなど。
それぞれが激しく嫉妬しながら、友だち関係をつづけていく物語でもあります。

でも、いざという時に、自分のショーをなげうって、飛行機が悪天候で飛ばない中、
レンタカーでハリウッドからサンフランシスコの病院に駆けつける、という友人がどれだけいるか。

冷静に見ると、二人とも相当ウザい存在ですが、その友情は素晴らしい。

細かい部分でもなんだかおもしろいところが多かった気がしますが、ちょっと以下にメモ。
・逆立ちの階段上り、というのが面白い芸なのだろうか
・ウサギの着ぐるみで電報を読むサービスは今でもあるのかな
・結婚するときの神父が首にむち打ちサポータみたいなものをまいていかにもやる気ない感じがおかしい
・CCのアパートの趣味悪さとボクサー犬(アーサー)がおかしいけど、モデルがある?
・ウィルス性心筋症というのが意外です。

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監督ゲイリー・マーシャル
製作ベット・ミドラー 、 ボニー・ブルックハイマー・マーテル 、 マーガレット・ジェニングス・サウス
製作総指揮テリー・シュワルツ
原作アイリス・レイナー・ダート
脚本メアリー・アグネス・ドナヒュー
撮影ダンテ・スピノッティ
音楽ジョルジュ・ドルリュー
美術アルバート・ブレナー
編集リチャード・ハルシー
●出演者
CC_Bloomベット・ミドラー
(age 11)メイム・ビアリク
Hillary_Whitney_Essexバーバラ・ハーシー
(age 11)マーシー・リーズ
John_Pierceジョン・ハード
Dr.Richard_Milsteinスポルディング・グレイ
Leona_Bloomレイニー・カザン
Michael_Essexジェームズ・リード
Victoria_Essexグレイス・ジョンストン

※データはmovie walkerです。
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