2018年10月14日(日)
El Alamein 2002年 イタリア
イタリアの戦争映画というのは、近代のものとしては初めて観たかもしれません。
新兵が配属されて、前線の過酷さを経験するうちにタフになっていく、というのは過去からよく描かれた物語です。
1942年10月のエジプト戦線。
バイクの二人乗りで、前線に配属された文学と哲学の学生。セッラ志願兵。
エジプトから英国を一掃するはずだった。
ここは南部、国から見放されている。
リッツォ曹長は、行きて帰り長ければ耳をすませ。頭を低く、赤痢は報告しなくていい、サソリに注意と諭す。
4カ月で1mも進んでいない。真水を飲むのは久しぶり。タバコはあるがマッチがない。
日常はのどか。
突然狙撃兵に撃たれたり、88㎜砲で吹っ飛ばされたりする。
水も弾薬もこない。考え過ぎたらだめだ・・・。
というような感じで、淡々と過ぎていく戦場物語。
当然撃ち合いや砲撃などはあるのですが、それよりも果てしなく歩き続けることのつらさ。敗走、砂漠。
ある意味、ドイツ、イタリアは日本との連合がある国なので、事情は似ているかもしれません。
負けていく方の戦争ですね。
イギリス軍の総攻撃に耐えられず散りぢりになっていく部隊。
途中ラクダをみつけて食べたり、満月に攻めてくる英国軍の話。
よく思い出すのは裏の田園。初霜の降る頃だ。
10月23日、妻の誕生日、30歳だ。
顔が白くなっているデ・ヴィータ。
今夜は満月、他へ合流ということは死ねという事だね。
死は美しいなんてウソ、現実の死はみじめ。
腹に穴の開いたスパーニャ、「イタリアで会いましょう」
命令は前線死守。
攻撃は続いて、フィオーレ中尉とリッツォ曹長とセッラの3人になり、砂漠を延々と歩いていく。
とにかくフーカまで、と歩いていると、フーカは英軍に占領された、マルサ・マートルへと言われる。100キロ先。
砂漠で見捨てられて3人。
奇跡的にバイクを捨てられたトラックとバイク。
二人を残して、助けを求めにいくセッラ・・・。
エル・アラメインの戦いは、10/23から11/4まで続いた。
イタリア兵104,000名、イギリス兵195,000名。
イタリア兵は退却中に全滅、無名戦士の墓が並ぶ。
印象としては、アメリカ映画、特に「プライベート・ライアン」などの激しい描写があるので、
それに比べると砲撃場面なども、ちょっとおとなしい感じを受けますが、本当はどうなのかはわかりません。
そして、日本では東南アジアでの熱帯地方の悲惨な戦場が語られますが、
エジプトの砂漠の戦場、そして撤退中の全滅というのが、これまた悲劇です。
まだまだ知らないことがたくさんあります。
監督エンゾ・モンテレオーネ
製作リカルド・トッツィー
脚本エンゾ・モンテレオーネ
撮影ダニエレ・ナヌッツィ
衣装デザインヴィンツェンツォ・マストラントニオ
音楽ピヴィオ 、 アルド・デ・スカルツィ
美術エットーレ・グエリエッリ
●出演者
Serraパオロ・ブリグリア
Sgt. Rizzoピエルフランチェスコ・ファヴィーノ
Lt. Fioreエミリオ・ソルフリッツィ
Spagnuoloルチアーノ・スカルパ
Capt. De Vitaトマ・トラバッチ
The generalシルヴィオ・オルランド
The colonelロバート・シトラン
Capt. Medicianジュゼッペ・チェデルナ
※データはmovie walkerです。