2019年2月23日(土)
12 Years a Slave 2013年 アメリカ
アメリカの奴隷制度はよく描かれますが、この映画は驚きました。
つまり、「自由黒人」という、北部でそれなりの地位のある黒人が、ある日商談と偽られ、気が付いたら奴隷として売られていく、という話。
実話の原作「12 Years a Slave」がもとになった映画です。
1841年ニューヨーク州サラトガで家族で暮らしていたソロモン・ノーサップ(キウェテル・イジョフォー)。
バイオリンに秀でいていることで、公演にという話があり、食事をした二人の白人。
飲み物に何か入れられたのか、食後ベッドに倒れこみ気が付くと手足に鎖。
そして南部へと売られていく。
そこからは何もできず、他の黒人たちと一緒に、ムチ打ちにあったり、過酷な労働を強いられたり。
中には人間らしい扱いをしてくれる主人もいたが、ほとんどは家畜とか所有物としてみるものばかり。
裏切りにあったり、仲間の吊るされるところを見たり、仲間をムチで打たされたり。
たまたま、カナダ出身の流れ者(ブラッド・ピット)に託した、北部の者への連絡が伝わり、ある日とうとう自由の身になる。
1841年といえば日本では水野忠邦の天保の改革。
日本との違いも甚だしいですが、アメリカの中でもこんなに差があったということが驚きです。
船でニューオリンズに運ばれる中で、女を連れ去ろうとした白人に抵抗をみせた男はナイフで刺し殺され、河に流される。
最初に仕事についたところでは、木を伐りだしたり大工仕事をしたり。
そこで、川で丸太を運ぶ提案をして、主人(ベネディクト・カンバーバッチ)には褒められるものの、大工頭には眼を付けられ、結局小競り合いをして、他の農園に行かざるを得なくなる。
ここでもすぐに吊るされそうになったが、農園管理者のチェイピンが制して、ギリギリで助かる。
それでも農園主が直接助けるまでは、吊るされたまま。
次は、マイケル・ファスベンダー演ずるエップスという農園主が、かなりくせのあるキャラクタ。
パッツィという綿花摘みのクィーンを慰みものにして、それを妻にも見破られている。
それでもそれがやめられず、いつも怒鳴りちらしている。
夜中に行うダンス。
夫婦の確執。
綿花の収穫が悪いものはムチ打ち。
そんな悪夢のような日々が12年間。
なんということでしょう。
画面は格調高く、ハンス・ジマーの音楽も控えめでいいです。
何より、黒人労働歌、霊歌がお腹に響いてきます。
また、途中、先住民たちと一緒になることもありました。
アメリカの闇の一つ、このような物語があろうとは。
監督スティーヴ・マックィーン
製作ブラッド・ピット 、 デデ・ガードナー 、 ジェレミー・クライナー 、 ビル・ポーラッド 、 スティーヴ・マックィーン 、 アーノン・ミルチャン 、 アンソニー・カタガス
製作総指揮テッサ・ロス 、 ジョン・リドリー
脚本ジョン・リドリー
撮影ショーン・ボビット
衣裳デザインパトリシア・ノリス
音楽ハンス・ジマー
編集ジョー・ウォーカー
プロダクション・デザインアダム・ストックハウゼン
●出演者
ソロモン・ノーサップキウェテル・イジョフォー
エドウィン・エップスマイケル・ファスベンダー
ウィリアム・フォードベネディクト・カンバーバッチ
ジョン・ティビーツポール・ダノ
セオフィラス・フリーマンポール・ジアマッティ
パッチールピタ・ニョンゴ
エップス夫人サラ・ポールソン
サミュエル・バスブラッド・ピット
シャウ夫人アルフレ・ウッダード
※データはmovie walkerです。