2018年9月29日(土)
The Mission 1986年 イギリス
1750年代のパラグアイ国境での話。実話とのこと。
スペインとポルトガル、そしてイエズス会との関係から起こる物語ですね。
だから少しわかりにくい。
ジャングルの中の先住民に布教を続けるイエズス会。
殉教者を出しながら、なんとか布教を広げ、グアラニー族にも、音楽を通じて溶け込んだガブリエル神父が布教区を広げていた。
そこで先住民狩りをするロドリゴ・メンドゥーサ(ロバート・デ・ニーロ)。
弟が自分の愛した女と結婚すると知って、決闘の末殺してしまう。
自暴自棄となった彼を、ガブリエルが贖罪をせよと説得して、イエズス会士として仲間に入れる。
重荷を引きずって、大きな滝を登り、ジャングルの奥地へ赴くメンドゥーサに、
グアラニー族も心を許して、平和な共産コミュニティが形成されていく。
スペインとポルトガルの国境線引きで、ポルトガル領になることになり、
退去を命じられる神父たち。
命令に背いて、抗戦する一族と神父たち、という物語ですね。
これは枢機卿(レイ・マカナリー)が事の顛末を法王?に報告する形式になってます。
この枢機卿は、いわば仲裁役で、スペイン総督とポルトガル提督の主張、イエズス会の実情を見て回り、結論を出す役割です。
中で、「外科医は生命を守るために手足を切ることがある。しかしこのようなあまりに美しい手足を切ることは忍びない」と語る場面があります。
確かに、イエズス会士が先住民を先導してたてた教会やプランテーション、歌声、楽器など、映画だとしてもとても美しい。
また、先住民の役はどのように選ばれたのか知りませんが、少年の姿勢や表情、少女のたたずまいなど、とても美しい。
中心の概念が、イエズス会、キリスト教の教えになるため、愛とか贖罪とかこのあたりも理解できないところもあります。
それでも、たとえば、滝の圧倒的なスケール、そこを登っていく場面の数々。
あるいは、先住民との暮らしの中で、川で遊ぶ子供たち、イノシシ?を追う住民、ボディペインティングをする女性たちなど、
西洋文明とはまったく違う世界を感じます。
たとえイエズス会の布教であっても、実はある考え方を吹き込んでそれに倣わせるという事であり、
軍事や権力ですることと、本質的には同じことにも思える気もします。
まあ、そういうことの繰り返しで歴史はできているということですが。
監督ローランド・ジョフェ
製作フェルナンド・ギア 、 デイヴィッド・パトナム
脚本ロバート・ボルト
撮影クリス・メンジス
衣装デザインエンリコ・サバッティーニ
音楽エンニオ・モリコーネ
美術ジョン・キング 、 ジョージ・リチャードソン
編集ジム・クラーク
●出演者
Mendozaロバート・デ・ニーロ
Gabrielジェレミー・アイアンズ
Altamiranoレイ・マカナリー
Fieldingリーアム・ニーソン
Felipeエイダン・クイン
Hontarロナルド・ピックアップ
Cabezaチャック・ロウ
Ibayeモニラック・シソワット
Carlottaチェリー・ランギ
Sebastianダニエル・ベリガン
※データはmovie walkerです。