2018年9月2日(日)
The Sun Shines Bright 1953年 アメリカ
アメリカ、ケンタッキー州のある町。
蒸気船が河を航行している時代、南北戦争から40年たつ(1900年前後?)が、
まだ南軍、北軍で対立しているような町。
主人公は老判事プリースト(チャールズ・ウィニンジャー)。
黒人のメイドを使い、禁酒の世の中で、事あるごとに「心臓を動かすための薬」としてウィスキーを飲む。
判事の選挙が迫っていて、北部からの対立候補メイデュー(ミルバーン・ストーン)の人気が気になるところ。
そんな中、名家の息子アシュビー(ジョン・ラッセル)が帰郷して、美しく育ったルーシー・リー(アーリーン・ウィラン)に急速に惹かれていく。
退役軍人会で南部北部の集まり(ここでも南部は分が悪い)で、のんびりとしたやり取りがあったりするが、
フェアフィールド将軍は人前に出ることをかたくなに拒否し、ルーシーの母と息子の秘密を隠している。
そして、ある晩船で着いた夫人が娼館に行こうとするも道で倒れ、アシュビーがドクターレイクのところに運び込む。
くしくもそれがルーシーの母であり、ルーシーは自分が何者であるかを知ることになる・・。
書いていくとややこしいし、正直映画をみただけではわからないところも多いです。
ただ、それだけアメリカの心につながるテーマがちりばめられているようにも思います。
南部と北部の対立。
黒人への差別、奴隷、労働力としての依存。
禁酒法への対処、売春(娼館)への視線。
プリースト判事は、酒飲みで、遅刻常習犯で、裁判所で自分の名刺を配ったりするが、憎めないやや古い男。
それでも、黒人の若者を知り合いのタバコ農場に紹介したり、情の厚いところを見せる。
山場は、トルネード区というところで、紹介した黒人若者が少女暴行で縛り首にされそうになる場面。
彼を保護した牢屋に、区の男たちがいきり立って集団でやってくる。
プリーストは、証拠もない、犬が追いかけて逃げただけでは、彼を渡すわけにいかない、と一歩も引かない。
ここ「アラバマ物語」を思い出させます。いい場面です。
そしてクライマックスは、ラスト近く、ルーシーの母がこの地でちゃんとした葬儀と埋葬を望んだことを実現するプリースト。
投票日に、街中を行進していく葬儀の列。ここはじーんときますね。
とくに教会で、牧師がわりにヨハネの一説を語る場面が圧巻です。
アメリカ人でないと、特に南部事情に疎いとよくわからないところが多いのですが、それでも心に響く作品でした。
いくつかわからなかったところ。
アシュビーがラムジーと決闘をしようと、馬具の用具室へいって、ムチで決闘するのですが、
これって、一般的によくあったことなのでしょうか?私は初めて見た。
もう一つは、家の前に黒人少年の人形像のようなものが置いあるのですが、
おれはいったい何なんでしょうか?
監督ジョン・フォード
原作アーヴィン・S・コップ
脚色ローレンス・ストーリングス
撮影アーチー・スタウト
音楽ヴィクター・ヤング
美術フランク・ホテリング
編集ジャック・マレイ
録音T. A. Carman 、 ハワード・ウィルソン
●出演者
Judge_Priestチャールズ・ウィニンジャー
Lucy_Leeアーリーン・ウィラン
Corwinジョン・ラッセル
Jeffステピン・フェチット
Dr. Lakeラッセル・シンプソン
Felsburgルドウィヒ・ストッセル
Feeneyフランシス・フォード
Bagbyポール・ハースト
Redcliffeミッチェル・ルイス
Buck_Ransyグラント・ウィザース
Maydewミルバーン・ストーン
Lucy's Motherドロシー・ジョーダン
You EssElzie Emanuel
Habershamヘンリー・オニール
Gen. Fairfieldジェームズ・カークウッド
Mallie_CrampEve March
Mrs. Ratchettジェーン・ダーウェル
G. A. R. Ladyメエ・マーシュ
※データはmovie walkerです。