2018年6月24日(日)
東京テアトル 2018年
是枝監督はずっと家族を描いているのですよね。
そういう意味では、小津監督のようでもあります。
今回は、あの洗濯屋パートをリストラになるならないの言い合いの場面、
二人の切り返しに、小津さんを感じましたけど。
現代の家族(もどき)なのに、なぜかすごく昭和を残している気がします。
駄菓子屋に集まる子供たち。
花火、そうめん、海水浴姿、夕立。
一番は、歯が抜けたときの、下の歯は屋根に投げるってあたり。
昭和のドラマを見てるようだ。
いや、今のドラマはどんなことを描いているんだろう、ということか。
なんといっても樹木希林。このおばあさんとしての存在感。
いつの間にか、ほんとのすごいおばあちゃんになってしまったけれど。
この人絶対に伝説になるよなぁ。
柄本明の駄菓子屋の主人は、わかっていながら見逃している。
スーパーの店員たちは、気が付かずに、最後は追いつめてしまう。
生活保護管は正論を言って、ジュリは元の家に戻される。
そして、遠くを見つめる。
もうちょっとよく見ないと分からないのだけれど、
あのフーゾクバイトの娘は、なぜあの家にいたのか。
別れた夫の息子夫婦の、出来のいい娘で、留学中ではないのか?
その虚構は、どこで誰が起こしたことか?
4番さんのこぶしに涙するのは?
なぜ男の子に祥太とつけたのですか?
あなたのことなんて呼んでましたか、ママ?おかあさん?
・・・なんだろうね、なんだろうね、・・・。
そう、普通の家族のふつうのこと、別に考えてやることではないけれど、
それが「なんだろうか」という思ってしまうこと。
この家族だけのことだろうか、ということだろうか。
昭和と一緒に消えてしまったことの、確認だろうか。
是枝監督の作品では、ちょっとのれない作品もあるのですが、
これは心に沁みてきます。
監督是枝裕和
製作石原隆 、 依田巽 、 中江康人
プロデューサー松崎薫 、 代情明彦 、 田口聖
アソシエイトプロデューサー大澤恵 、 小竹里美
脚本是枝裕和
撮影近藤龍人
衣装黒澤和子
音楽細野晴臣
美術三ツ松けいこ
編集是枝裕和
録音冨田和彦
音響効果岡瀬晶彦
キャスティング田端利江
ヘアメイク酒井夢月
助監督森本晶一
照明藤井勇
装飾松葉明子
ラインプロデューサー熊谷悠
制作担当後藤一郎
●出演者
柴田治リリー・フランキー
柴田信代安藤サクラ
柴田亜紀松岡茉優
4番さん池松壮亮
柴田祥太城桧吏
ゆり佐々木みゆ
柴田譲緒形直人
柴田葉子森口瑤子
北条保山田裕貴
北条希片山萌美
川戸頼次柄本明
前園巧高良健吾
宮部希衣池脇千鶴
柴田初枝樹木希林
※データはmovie walkerです。