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炎の城(1960)

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2018年2月25日(日)
東映 1960年
イメージ 1

400年近く前と出る、江戸時代ですね。
瀬戸内海沿岸の領地を持つ大見城。この城主は、前の城主を図り殺し、妻を自分の妻としている師景(大河内傳次郎)。
そこへ明から3年ぶりに帰国する前城主の息子・若君の正人(大川橋蔵)。

師景はおじに当たるが、正人は腹心からその権力拡大と農民いじめの悪行を聞き、悩み対抗していく・・・。
これはハムレットですね。中にそんなセリフも出てきます。

イメージ 2

日本映画全盛のころの作品とあって、セットも衣装も立派。映画の風格が素晴らしい。

また、昨日みた「この首一万石」にも共通しますが、
最近は「配慮すべき言葉」もそのまま放送されるので、乞食とかきちがい、とか以前のまま聞くことができてうれしいです。
とくにこの映画では、大川橋蔵が、殺されるのを防ぐため、気がふれた真似をしているのですが、
「にせきちがい」という言葉が飛び交い、すごいことになってます。

イメージ 3

展開にやや無理があるにしろ、おじを殺しなんとか国を正しく治めようと奮闘する正人は、
誤って筆頭家老直之進を殺してしまうものの、母の気持ちを取り戻し、農民たちも一揆をおこし始める。

恋人であった雪野(三田佳子)は、父を殺されるも、悩んだ末入水自殺。
雪野の兄、直之進の息子・祐吾は、父の仇と、正人との果し合いをするも、
毒入りの酒や毒を塗った刀が、逆に作用して、正人はその場を逃れる。

最後は場内の手勢に切り付けられ、矢を放たれるも、農民たちの蜂起が場内に及び、
最後まで生き延びた正人が、死んでしまった雪野に許しを請う・・・。

あらすじを長々と書いてしまいましたが、テンポも良く、途中倭寇の海賊なども登場して、
日本の歴史の勉強にもなります(?)。

大川橋蔵も、一時代を築いた人ですから、気合十分。
新人三田佳子も日本美人として初々しく、大河内伝次郎、高峰三枝子は迫力の存在感。

闇の中での光の輪郭での撮影なども、素晴らしいです。
幽霊もオーバーすぎずに良。

そして、もっともびっくりしたのが、音楽です。
伊福部さんですが、それまでは静かな音楽がついているのですが、
クライマックスの天守閣での立ち回りの時の音楽が、「ゴジラ」ではないですか!
これって、ありなんでしょうか。

監督加藤泰
脚本八住利雄
企画中村有隣
撮影吉田貞次
音楽伊福部昭
美術吉村晟
編集宮本信太郎
録音野津裕男
照明中山治雄
●出演
王見正人大川橋蔵
王見師景大河内傳次郎
王見時子高峰三枝子
王見勝正明石潮
六角直之進薄田研二
六角祐吾伊沢一郎
六角雪野三田佳子
多治見庄司黒川弥太郎
相楽宗恵坂東吉弥
甚兵衛香川良介
陀七河野秋武
玄道和尚水野浩
老婆岡島芝子
吉次五里兵太郎
弥太鈴木金哉
茂平浜田伸一
猿楽演技者壬生狂言社中
詰所の侍波多野博
詰所の侍河村満和
詰所の侍田中亮三
詰所の侍嵐歌之介
城の者A汐路章
城の者B智村清
町人A石丸勝也
町人B滝川浩
町人C春路謙作
盲人A源八郎
盲人B牧淳子
南郷京之助
近習相原昇三郎
近習神木真寿雄
近習西条菊太郎

※データはmovie walkerです。

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