2018年1月21日(日)
TOIVON TUOLLA PUOLEN 2017年 フィンランド
カウリスマキ・ワールドですねぇ。
芝居はしてないのにリアル。
リアルじゃないのに、共感。
港に入る大きな石炭船。
夜になって、そこから這い出して来る男。難民ですね。
そして、中年夫婦の別れ際。
夫ヴィクストロムはシャツの卸販売をしている。妻は指輪を灰皿に。
難民のカーリドは難民申請をするも、生き別れた妹をフィンランドに呼び寄せたい。
シリアの修理工だったが、どこかのミサイルで家がこなごなになったという。
家族や婚約者は死んでしまった。
しかし、ネオナチ風の男たちにからまれる。
ヴィクストロムは車に積んだシャツを売り払って(お馴染みカティ・オウティネンが、ある店主をしていて店をしめてメキシコにいくと言ったりする)お金をつくる。
そしてカジノで全部賭けてストレートフラッシュで大金を手にする。
そのお金で念願のレストランを買う。
「ゴールデン・パイント」という、カン詰め料理を出すような店・・・。
とまあ、こんな調子で淡々と物語は進みます。
カウリスマキの世界では、きちんとしている人、前向きに正論を吐く人は一人も出てこない。
いい加減で、世の中に疲れていて、出たとこ勝負で、適当な感じ。
そこに難民の妹を探すカーリドが混じりこんで、ちょっと調子が変わる。
それでも、妹はトラックの下の荷物入れに入り込んで入国するんですが。
レストランは流行らず、日本料理(ワサビ盛り寿司店インペリアル・スシ)やったり、ダンスホールにしたり。
それでも、奥さんは戻り、妹は難民申請ができ、カーリドはなんとか犬と暮らせそうな雰囲気。
とてもはかないけれど、希望の光がまだ灯っています。
なんとなく、ほっとして映画館を出る。
監督アキ・カウリスマキ
製作アキ・カウリスマキ
脚本アキ・カウリスマキ
撮影ティモ・サルミネン
共同制作ミシャ・ヤーリ 、 マーク・ロフ 、 ラインハルト・ブルンディヒ
編集サム・ヘイッキラ
録音テロ・マルムバリ
照明オッリ・ヴァルヤ
プロダクションデザインアキ・カウリスマキ
衣装ティーナ・カウカネン
●出演
カーリドシェルワン・ハジ
ヴィクストロムサカリ・クオスマネン
カラムニウスイルッカ・コイヴラ
ニルヒネンヤンネ・ヒューティアイネン
ミルヤヌップ・コイブ
ヴィクストロムの妻カイヤ・パカリネン
ミリアムニロズ・ハジ
マズダクサイモン・フセイン・アルバズーン
洋品店の女店主カティ・オウティネン
収容施設の女性マリヤ・ヤルヴェンヘルミ
※データはmovie walkerです。