2018年1月1日(月)
La Dolce Vita 1960年 イタリア
フェリーニ監督の作品では、これが一番好きかもしれません。
ヘリで空中を運ばれてくるキリスト。インパクトあります。
屋上のプールの女性たちに声を掛けるマルチェロ(M・マストロヤンニ)。
とにかく、夜通し遊んで夜明けを迎えるという日々。
ローマのいわゆる社交界、マスコミ界などの生活が描かれていて、
今見てもその鋭さがまったく古びていません。
マッダレーナ(アヌーク・エーメ)といく水浸しのアパートでの情事、その明け方。
シルビア(アニタ・エクバーグ)に振り回されて入るトレビの泉、そして明け方の情けない感じ、夫ロバートに殴られる落ち。
家には婚約者、しかし女遊びに神経をすり減らし自殺未遂をするし、いつも話は喧嘩になる。
聖女を見たという兄妹をめぐる茶番。むらがるマスコミ、やじうま、大雨、そして木をちぎる人々。
理想の生活、家族をもつシュタイナー氏(アラン・キュニー)。
テープレコーダから流れる自然の音。目をさます小さな娘と息子。
この家族はのちに大変なことになる。
海岸での創作活動。海の家で働くかわいい娘。ペルージャ(中田!)出身。
田舎から父親が出てくる。キャバレーに行き、ファニー(マガリ・ノエル)と意気投合。
夜通し遊んで、ファニーの家に行くと、具合が悪いという。そして早朝の列車で帰る父。
この父親のシークエンスは、なぜか「東京物語」を思い出しました。
お城でのパーティ。私はこの部分がとても好きです。
不思議な人たちの集まり。上流社会、貴族、生活感のない人たち。
マッダレーナとの再会。そして不思議な部屋での離れた会話。
幽霊退治に行くという面々。交霊・・・。
明け方のとぼとぼと歩く人々、早朝のミサに行くという侯爵の母に出会う場面。
そして、同棲中のエンマとの激しい口論。4時間も同じことを(!)話している。
ここでのセリフがしびれます。
「いつも怒りと不満だらけ、攻撃的でしつこい母親気取りの愛など欲しくないし必要でもない」
そして、ここでも夜はふけ、明け方に車が戻ってくる。
この、やるせない感じ。
そして、退廃のきわみ、勝手に知人の家に入って騒ぐパーティの面々。
ストリップをやる夫人、まくらの羽毛をまき散らすマルチェロ。
夜が明けて、海岸にあがる巨大なエイ?すでに死んでいる。
離れているところに、あの海の家の少女。声が聞こえない。そのまま別れる二人。
何夜の夜、何度の明け方が描かれているのでしょうか。
ローマ、イタリアの深さに圧倒されます。
ちなみに、この映画のゴシップカメラマン、パパラツィオからあのパパラッチが命名されたということなんですね。
監督フェデリコ・フェリーニ
製作ジュゼッペ・アマート
原案フェデリコ・フェリーニ 、 トゥリオ・ピネリ 、 エンニオ・フライアーノ
脚色フェデリコ・フェリーニ 、 エンニオ・フライアーノ 、 トゥリオ・ピネリ 、 ブルネロ・ロンディ
撮影オテロ・マルテリ
音楽ニーノ・ロータ
指揮フランコ・フェルラーラ
美術ピエロ・ゲラルディ
編集Leo Cattozzo
録音Agostino Morelli
●出演
Marcelloマルチェロ・マストロヤンニ
Sylviaアニタ・エクバーグ
Maddalenaアヌーク・エーメ
Robertレックス・バーカー
Emmaイヴォンヌ・フルノー
Steinerアラン・キュニー
Fannyマガリ・ノエル
Nadiaナディア・グレイ
Sernasジャック・セルナス
Marcello's Fatherアンニバレ・ニンキ
PaparazzoWalter Santesso
Riccardoリカルド・ガローネ
Toto' ScaliseCarlo Di Maggio
Steiner's Wifeレネ・ロンガリーニ
Paolaヴァレリア・チャンゴッティーニ
JaneAudrey McDonald
Crownポリドール
※データはmovie walkerです。