2017年5月2日(火)
GHOST IN THE SHELL 2017年 アメリカ
うーむ、何といえばいいのでしょうか。
上海あるいは香港のイメージによる少しダークな未来像。
記憶を造られる主人公の不安。
機械化される体、人口知能の発達による落とし穴。
これらは映画でもアニメでも繰り返し描かれてきたので、
それらをなぞっているような印象です。
一言でいうと、どこかで見たことのあるものを見せられ続けるという感じ。
その映像自体はとても良くできているのですが。
たとえば、アニメと同じようなアングルで飛行機が上を飛び、
偽装服で隠れたまま男を打ちのめす。
それはうれしいはずなのですが、なぜか物足りない感じ。
やはりなぞるだけではダメなのですね。
スカーレット・ヨハンソンは、なかなか頑張っているけれど、
思い切って無名の女優さんの方がよかったのではないでしょうか。
それくらい、彼女にはいろいろな役が見えてしまうので、
どうしても作り物だということが意識されてしまいます。
同じことが、ビートたけしや桃井かおりにも言える。
なぜかビートたけしだけ日本語だし。このあたりは日本人だからかもしれないけど、では素子は日本人役者ではだめだったのか?
無名の役者でやってみることは無理だったのでしょうか?
あと、ジュリエット・ビノシェって、ゴジラにも出てたけど、こういうのが多い気がしますね。なぜ?
いい面でいうと、街中に出現する巨大ホログラムは面白い。
でもやっぱりキモノなんでしょうか。
あと、素子の体はさすが。
しかし、彼女が悩んだり、混乱したりする場面はあまりなくて、
そのあたりが、もうちょと掘り下げられたらな、と残念です。
98人の失敗があるとして、実験の結果だとして、自分のカラの中にあるものは、何なのか?
もっと細かいこだわりのようなもの、
なぜ、これがこんなところにあるのか、そこに描かれたものは何なのか、というような疑問。
そういうものが詰まっている映画がみたい気がするのですが、それはないものねだりというものでしょうか。
監督ルパート・サンダース
脚本ウィリアム・ウィーラー
原作士郎正宗
製作総指揮マイケル・コスティガン 、 藤村哲哉 、 石川光久 、 ジェフリー・シルヴァー 、 マーク・ソーリエン
製作アリ・アラド 、 アヴィ・アラド 、 スティーヴン・ポール
撮影ジェス・ホール
プロダクション・デザインヤン・ロールフス
音楽クリント・マンセル
編集ビリー・リッチ 、 ネイル・スミス
●出演者
少佐スカーレット・ヨハンソン
バトーピルー・アスベック
クゼ(笑い男)マイケル・ピット
荒巻北野武
桃井かおり
オウレイ博士ジュリエット・ビノシュ
マイケル・ウィンコット
Togusaチン・ハン
福島リラ
少佐(日本語吹替え)田中敦子
バトー(日本語吹替え)大塚明夫
トグサ(日本語吹替え)山寺宏一
※データはmovie walkerです。