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オーバー・フェンス(2016)

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2017年2月25日(土)
東京テアトル 2016年

イメージ 1

早稲田松竹で、「永い言い訳」との2本立て。
しかも西川美和監督と山下敦弘監督のトークショーがあったので、超満員でした。

佐藤泰志の函館3部作らしいですが、昨年の「ここのみにて光輝く」もよかったし、この作品もとてもいいです。

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蒼井優がとてもいいです。この人はこのようなちょっとエキセントリックな女性をとてもうまくやりますね。
器用だからなんでもできるのでしょうが、この作品は久々に彼女のすばらしさを感じました。
ちょっとしたセリフの言い出し方がとてもうまい。
変な鳥のダンスも、地方にこういうスナックのおねえちゃん、必ず居そう。

他のキャストもいいですねぇ。
背中に魚の入れ墨のある原(北村有起哉)、いかにも地方にいそうなあんちゃん島田(松澤匠)、
そして一番驚いたのは、じいさん勝間田の鈴木常吉です。
この人セメントミキサーズのボーカル、ギターの人ですよね。
すばらしい存在感の芝居をしてました。

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この人は北村有起哉

東京での結婚生活がだめになり、40過ぎで函館に戻って、職業訓練校に通っている白岩(オダギリ・ジョー)。
同じ学校のクラスの代島(松田翔太)に誘われていったスナックで、一度見かけた女サトシ(蒼井優)に出会う。

この、地方の小さな都市で、希望のない男と少し変わった女が生み出す物語が、なぜかとても沁みます。

何もないアパートで、毎日弁当を買って缶ビール2本を飲む。
実家に行こうと誘いに来る、妹の旦那。

学校では、経験もないのにやたらと「俺が現場にいたころは」が口癖で、いばる指導官。
何やっても要領が悪く、皆にうとまれる森(満島真之介)。

若い娘のいる飲み屋の席に誘われて行くが、
楽しそうな女たちに毒づく白岩。ただ仕事してただ飯食ってただ年取っていくんだよ。
面白い事なんかなんにもないんだよ、っていうような感じだったでしょうか。

元妻(優香)に言われる。なんか普通になった。
そこで号泣する義男。

そして彼が聡に言う言葉。
普通に働いて、普通に結婚して、と思ってたんだけど、違ったんだよ。
俺がいなくなって元気になってた。俺全然わかってないんだよな。
今もなんにもわかんないんだよ。

今、テレビでも雑誌でも学校でも会社でも、
こうすればいい、これが正解、こうしなければダメ、という事ばかりだけど、その流れにまったく乗れない人たちがどんあんい多い事か。
しかも、そういう人たちの行き場が、どんどん無くなっているのではないか。

でもこの映画は、トークショーで山下監督も自分で言ってましたが、優しい。
最後の最後、オーバーフェンスンス。

トークショーでは、西川監督が「永い言い訳」30代までの集大成と言っていたのに対して、
山下監督は、この映画はこういう映画も撮れるんだという、リスタートだと言ってました。
自分のチームでなく、「ここのみにて光輝く」チームに入って、というのもあったようです。
それまでが、意外と凝り固まっていた、というようなことでした。

あの、「ナンパでもします?」という場面の、そのあとのセリフ(カラオケなんかいかねぇ、競輪か、うんぬんのところ)は自分で書いたと言ってましたが、それ以外はほとんど書かないようです。
カット割りも自分ではやらない、というので西川監督がうらやましがっていました。
そんなこんな面白いトークショーでした。壁際や通路までぎっちりの超満員でしたけど。

監督山下敦弘
脚本高田亮
原作佐藤泰志
エグゼクティブプロデューサー麻生英輔
企画菅原和博
製作統括小玉滋彦 、 余田光隆
製作永田守
プロデューサー星野秀樹
撮影近藤龍人
美術井上心平
音楽田中拓人
録音吉田憲義
照明藤井勇
編集今井大介
スタイリスト馬場恭子
ヘアメイク望月志穂子
キャスティングディレクター元川益暢
アソシエイトプロデューサー吉岡宏城 、 佐治幸宏 、 米窪信弥
ラインプロデューサー野村邦彦
制作担当林啓史
助監督甲斐聖太郎
VFXプロデューサー浅野秀二
アクションコーディネーターカラサワイサオ
協力プロデューサー根岸洋之
●出演者
白岩義男オダギリ ジョー
田村聡蒼井優
代島和之松田翔太
原浩一郎北村有起哉
森由人満島真之介
島田晃松澤匠
勝間田憲一鈴木常吉
尾形洋子優香
中野英樹
安藤玉恵
吉岡睦雄
塚本晋也

※データはmovie walkerです。

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