2017年2月18日(土)
Deep Impact 1998年 アメリカ
隕石が地球に激突する、今となってはよくあるテーマでの映画の一つになりました。
実際「アルマゲドン」は同じ年の公開で、設定もすごくよく似てます。
ただ、こちらのほうがずっと行儀のいいアメリカを描いてます。
その分、ちょっと面白みに欠けるきらいがある。
モーガン・フリーマンの大統領の所作が、いかにも大国の大統領という雰囲気です。
また、主人公の一人ジェニー(ティア・レオーニ)が、父母の離婚、父の再婚に深く傷つくというドラマも、最近のアメリカによく出る設定です。
そして彗星に着陸して核爆弾を埋め込んで爆破させるというドラマ部分は、「アルマゲドン」と酷似。
どちらもここでのドラマが一つの大きな見どころです。
あと、こちらの映画では、すでにシェルターが準備されていて、抽選で100万人だけは入れるというしくみ。
2年間は外に出られないということまでわかっており、そこでの整然とした運用がちょっと違和感あり。
大暴動になりそうな気がしますけど。
そういう意味では、「エンド・オブ・ザ・ワールド」の描いた週末感のほうがリアルだった気がします。
また、日本の映画では、「フィッシュ・ストーリー」というのがありました。私はこれ好きでした。
もちろん「君の名は。」を外すわけにはいかないのですが、ここまで行ってしまうとね。
アメリカ映画でよく描かれるのは、こういう時の自己犠牲です。
メサイア号の船長ロバート・デュヴァルは、ロートルで最初はばかにされますが、最後にその力を発揮します。
また、アンカーの職をつかんだジェニーが、ヘリポートでとる行動も、たぶんアメリカでは泣きをさそうのでしょう。
サラを送り出す家族の自己犠牲感というのあります。
一方、家族との繋がりや記憶というのも、かなり深い物語となります。
ヴァネッサ・レッドグレイヴが演じたジェニーの母親は、やはり素晴らしかったですね。
年を取って太ったのでわからなかったのですが、その夫、ジェニーの父はマクシミリアン・シェル。
彼は娘に古い写真を届けます。それが共通の記憶なのですね。
ロバート・デュバルの船長も、亡くした妻の白黒写真を目の前に貼っています。
アメリカでの、離婚による家族の崩壊が多いのに、このような家族の思い出を強く引きずるドラマ。
かなり特徴的と思います。日本ではこういう展開はあまりないような気がしますから。
そして、アメリカ映画では必ず、ノアの箱舟的な発想が出てきます。
この映画でも、あらゆる動物をシェルターに運び込む、という場面が出てきます。
キリスト教的ということでしょうか。これも日本では考えられないでしょう。
監督ミミ・レダー
脚本マイケル・トルキン 、 ブルース・ジョエル・ルービン
エグゼクティブプロデューサースティーヴン・スピルバーグ 、 ジョーン・ブラッドショウ 、 ウォルター・F・パークス
製作リチャード・D・ザナック 、 デイヴィッド・ブラウン
撮影ディートリッヒ・ローマン
美術レスリー・ディリー
音楽ジェームズ・ホーナー
編集デイヴィッド・ローゼンブルーム
衣装デザインルース・マイヤーズ
特殊視覚効果インダストリアル・ライト・アンド・マジック
●出演者
Spurgeon Fish Tannerロバート・デュヴァル
Jenny Lernerティア・レオーニ
Leo Biedermanイライジャ・ウッド
Sarah Hotchnerリリー・ソビエスキー
Robin Lernerヴァネッサ・レッドグレイヴ
Jason Lernerマクシミリアン・シェル
President Beckモーガン・フリーマン
Alan Rittenhouseジェームズ・クロムウェル
Andrea Bakerメアリー・マコーマック
Mark Simonブレア・アンダーウッド
Eric Vennekorダグレイ・スコット
Ron Eldardオーレン・モナシュ
Mikhail Tulchinskyアレクサンダー・バリュー
Gus Partenzaジョン・ファヴロー
Marcus Wolfチャールズ・マーティン・スミス
Don Biedermanリチャード・シフ
Vicky Hotchnerデニーズ・クロスビー
※データはmovie walkerです。