Quantcast
Channel: いまごろこの映画?
Viewing all articles
Browse latest Browse all 788

ハッピーアワー(2015)

$
0
0
2016年5月29日(日)
神戸ワークショップシネマプロジェクト(NEOPA,fictive) 2015年

イメージ 1

3部構成で317分。演技経験のない人たちの映画ということで迷ったけれど、素晴らしい映画体験でした。

看護師のあかり、主婦の桜子、キュレーターの芙美、離婚裁判中の純。
37歳の女性4人がみせる生活とドラマが、まるで前から知っている人のようにしみ込んできます。

神戸のケーブルカーで上に上ると、土砂降りの雨。
イメージ 2

そんな始まりをするドラマ。
4人の微妙な距離と結婚生活。バツイチ、普通の家庭、夫との対等な二人、離婚裁判。

ワークショップ。重心を考える。
鵜飼の声が妙によくとおる。
そのあとの打ち上げでの、バツイチ話。この雰囲気。

桜子の家庭の普通さ。
姑が来ているが、険悪なわけでもない。
そして起きる息子の事件。
夫は公務員だが、ちょうど大きなイベントの仕切りで動けず、ばあちゃんと桜子が対処する。
その普通な感じ。

純と夫との決定的なすれ違い。
古いアパートでの、不毛な会話。頭から麦茶をかける純。

芙美は膜のはったような距離感で夫と付き合い、そこに作家との葛藤が入る。

あかりは、病院の医師と患者だった子供の父親との付き合いに揺れる。

音楽はほとんどかからず、人はシルエットになり表情もみえない。
それでも立ち上がってくる人のつながりと気持ち。

イメージ 3

とても印象的な女性が二人いました。

一人は有馬温泉からのかえりのバスで話す、滝で写真をとってくれた女性。
おじいさんがよく嘘をつくんです、という彼女の不思議な存在感。

もう一人は、あかりの後輩の看護師ゆずき。
とろくて、ドジばかり踏むが、患者には好かれて、抱かれ心地が「柔らかい」。

鵜飼の妹があかりと会話するときに出てくる、「顔」。
顔には経験が刻まれるので、顔をみるという話。

この映画は役者ではないけれど、顔に経験があり、それが丁寧に重ねられた結果ということがわかります。

何かが解決するわけではない。
それでも続いていく生活、という面白さがとてもよく伝わってきました。

監督濱口竜介
脚本濱口竜介 、 野原位 、 高橋知由 、 はたのこうぼう
製作総指揮原田将 、 徳山勝巳
プロデューサー高田聡 、 岡本英之 、 野原位
撮影北川喜雄
音楽阿部海太郎
録音松野泉
照明秋山恵二郎
助監督斗内秀和 、 高野徹
●出演者
槙野あかり田中幸恵
井場桜子菊池葉月
塚本芙美三原麻衣子
吉川(日野)純川村りら
申芳夫
三浦博之
謝花喜天
柴田修平
出村弘美
坂庄基
久貝亜美
田辺泰信
渋谷采郁
福永祥子
伊藤勇一郎
殿井歩
椎橋怜奈

※データはmovie walkerです。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 788

Trending Articles