2016年1月30日(土)
Poseidon 2006年 アメリカ
ご存じ、1972年の作品のリメイクです。
なぜこれをリメイク?というのが正直なところですが、ウォルフガング・ペーターゼン監督がやりたかったことがあるんでしょうね。
結論からいうと、特撮がリアルですごくなったのに反比例して、映画はつまらなくなったなぁ、という感じです。
ということは、リアルだから怖いとかスリルがあるということではないわけですね。
やはり物語の面白さとか、人物への共感というのは、画面がリアルかどうかというのとは違うということ。
冒頭の、おおきな船を空撮からなめて、甲板上を走る男をぐるりと上空から廻って、その男の前にキャメラがくる、というのは知らないで見るとびっくりしますね。
大波を受けて船が横倒しになり、転覆するところも、充分リアル。
でもきっとCGだろうなぁって思ってしまうと、あまり凄さを感じなくなってしまっているんですね。
で、問題は物語や人物の方なんですが、これがねー。
どうも感情移入できる人物がいないんですよね。
元市長で娘とどうしても仲良くできないカート・ラッセル。
娘(エミー・ロッサム)は婚約者(マイク・ボーゲル)と父
プロのギャンブラーで、元消防士?のジョシュ・ルーカス。
設計士で、乗船前に妻から離婚を言い渡されたリチャード・ドレイファス。
なぜか子連れで、ギャンブラーのディラン(ジョシュ・ルーカス)に惹かれる?マギー(ジャシンダ・バレット)。
そして最も不可解な密航女のエレナ(ミア・マエストロ)。
・・・
この小集団で脱出を試みるんだけど、ぎりぎりまで危うくて、でも助かった、という繰り返し。
それが、まるで遊園地のライドもののように、作られた感がしてしまうのですね。
だからご都合主義に見えて、結局あまりはらはらドキドキしないというわけです。
誰かのために一生懸命やって、尊い死を迎えるという感じがしないのですね。
1972版のクライマックスなんて、泣きそうになったもんね。
映画って難しいですね。
監督ウォルフガング・ペーターゼン
脚本マーク・プロトセヴィッチ
原作ポール・ギャリコ
製作総指揮ベンジャミン・ワイスブレン 、 シーラ・アレン 、 ケヴィン・バーンズ 、 ジョン・ジャッシニ
製作ウォルフガング・ペーターゼン 、 ダンカン・ヘンダーソン 、 マイク・フレイス 、 アキヴァ・ゴールズマン
撮影ジョン・シール
美術ウィリアム・サンデル
音楽クラウス・バデルト
編集ピーター・ホネス
衣装エリカ・エデル・フィリップス
●出演者
ロバート・ラムジーカート・ラッセル
ディラン・ジョーンズジョシュ・ルーカス
リチャーズ・ネルソンリチャード・ドレイファス
ジェニファー・ラムジーエミー・ロッサム
マギー・ジェイムズジャシンダ・バレット
クリスチャンマイク・ヴォーゲル
エレナミア・マエストロ
コナー・ジェイムズジミー・ベネット
ブラッドフォード船長アンドレ・ブラウアー
ラッキー・ラリーケヴィン・ディロン
マルコ・バレンティンフレディ・ロドリゲス
グロリアステイシー・ファーガソン
※データはmovie walkerです。